質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第百号)昭和二十二年十一月四日配付

内閣参甲第一一六号
  昭和二十二年十月三十一日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出牛馬減少に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出牛馬減少に関する質問に対する答弁書

一、牛馬の頭数は別表のように終戦前後の混乱と食糧不足により十数パーセントの減少を見たが、その後における社会秩序の快復と生産意欲の昂揚とにより、本年度においては既に増加の徴を示している。
なお、積極的増産の方途については、目下考究中で五ケ年を一期とする畜産振興計画を樹てたいと思つている。

二、質問主意書の通り現在の量ではとても不足であることは明らかであつて、これに関しては食糧の需給と密接な連繋を保ちつつ家畜飼料としての農家保有量の増加確保について鋭意努力中であるが、現下の食糧事情特に世界的な食糧窮乏の現状からすると、相当困難である。
 尚近く飼料切符制等の運用により配給飼料の増加に努力すると共に、主要食糧の供出とのリンク等合理的な方法により農村家畜に対する飼料の供給量を増加したいものと考える。

三、畜産物の増産と有畜経営による農業経営の安定を目途とした畜産増殖計画につき、その生産、と殺等の具体的頭数については目下研究中である。麦類保有の増加の問題についても農業経営の合理化、食糧需給の状況等を勘案し合理的に解決したいと考える。

別表

   最近五ヶ年牛馬頭数調
  年 次    牛    馬 備   考
 昭和十八年二、四〇〇、〇一二一、二〇七、八〇九沖縄県の分を含む
 同 十九年二、四二四、六六二一、二二三、〇四四
 同 二十年二、三一八、七四五一、一二〇、九二九
 同 二十一年一、九八九、八五六一、〇四九、三九三
 同 二十二年一、九八九、〇四四一、〇五三、八七七