質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第九十五号)昭和二十二年十月二十七日配付

内閣参甲第一〇五号
  昭和二十二年十月二十四日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出貿易開港場等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出貿易開港場等に関する質問に対する答弁書

一、敗戦困窮の祖国日本を救うための政策の一として、外国貿易を伸張させることは緊急の問題である。
 一部民間貿易の許された現状にも顧み、政府としては、その政策の一環として、近く開港場を増加し、これを伸張し、貿易収入の増加に資したいと考えている。なお、観光のための開港ということについては、貿易の面と併せて諸般の状況を考慮し、観光収入をも挙げるという方向に進むべきものと考えている。なお、広島は近く開港に指定したい考えである。

二、現下の国民生活は悪性インフレ其他諸因によつてまことに容易ならぬものがあり、この現状を速かに打開し国民生活の安定を図ることは政府当面の緊急重要な問題であつて之に対応する施策を着々実施中である。
 併乍ら御趣旨の如く国際賭博場を開設して賭博を公然と認めることについては、現下の国情においては国家救済の手段として尚他に健全適切なる方策を考究実施さるべきであつて国際賭博場開設は未だその時機にあらずと思料する。

三、物品税は、最終の消費者を担税者とする消費税たるの性質からすれば物品の消費に最も近接する小売段階において課税するを理想とするのであるが、現在の課税物品は、頗る広範囲に亘り小売段階において課税するときは、納税義務者の数が著しく増加するため、取締が困難であるのみでなく脱税の弊に堪えないので、納税義務者が少なく取締を十分に徹底することのできる生産者段階において課税している次第である。従つて、徴税の確実且つ簡易な現行の制度を、今直ちに、小売段階における課税に変更する考えはない。なお、物品税は、奢侈品乃至不急と認められる物品を課税対象としているのであつて農器具に対しては課税していない。