質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第六十二号)昭和二十二年十月三日配付

内閣参甲第七三号
  昭和二十二年九月三十日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員中野重治君提出労働攻勢の全貌に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員中野重治君提出労働攻勢の全貌に関する質問に対する答弁書

一、労働紛争議に対しては、そのよつて来る所以を究めその原因除去に努めると共に、努めて労資双方の自主的団体交渉により解決せらるべきものとし、それが困難な場合は、労働委員会の公正な斡旋、調停、仲裁等により解決せられることを期待することとしている。

二、今日労働紛争議の原因となつている事由は、相当多岐に亘つているが、その内主なものは、賃金の引上(臨時給与の支給)と事業の縮少整理等に伴う解雇反対乃至解雇手当支給の二項が挙げられる。
 賃金の引上(臨時給与の支給)の問題については、政府は、いわゆる千八百円水準を維持することが、現在の経済危機を突破するには、どうしても必要であり、生活困難ではあろうが、明日の再建のため、今日の耐乏を強く要請すると共に、寧ろ名目賃金の引上よりは、実質賃金の維持増大を図ることに施策を集中し一方問題は結局生産増強に懸つていることに鑑みいわゆる賃上闘争の生産復興への転換を要望している次第である。
 失業の問題については、能うる限り新なる失業者の発生せざるように努めることが望ましいのであるが、已むを得ないものについては、公共事業等への就労斡旋、更に生業手当乃至失業保険制度によつて救済致し度いと考えている。

三、労働委員会の斡旋、調停、仲裁等の努力は委員会の努力と、関係者のこれに対する認識の普及と相俟つて、相当の成果を挙げていることは、誠に感謝に堪えないところであつて、政府としては、今後ともその独自性を尊重しつつ、その機能の発揚を図るよう措置する所存である。

中野重治君提出の労働攻勢の全貌に関する答弁書参考資料

 労働争議の概況

 昭和二十二年自七月 一日
至九月二十日
発生

 争議件数二七〇件罷         業  六七件

怠         業  三二件

工  場   閉  鎖  一一件

事  業   管  理  二四件

争議行為の伴はざるもの 一三六件
註 一、本調査は九月二十五日迄に労働者に報告されてゐるものに依る。
  二、単なる紛議も主要なるものは之を加ふ。
  三、二以上の争議行為を伴つたものは主要と認められる争議行為をとつて一件とした。

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