質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第五十四号)昭和二十二年九月二十五日配付

内閣参甲第五九号
  昭和二十二年九月二十三日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小林勝馬君提出不具及び失明者に対する鉄道料金全免又は割引に関する質問に対し別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小林勝馬君提出不具及び失明者に対する鉄道料金全免又は割引きに関する答弁書

 戦争等に依り不具及び失明となられた戦争犠牲者に対し国家は最大の救済を行うは当然のことであります。
 従つて国鉄におきましては、これ等傷病の為身体機能の一部を害して完全な活動の出来ない方々の旅行費を軽減する為、昭和九年四月恩給法の改正と同時に同法による傷病年金を支給される者には一年一定回数の無賃乗車証を交附し、なお傷病の程度によつては附添人一名の無賃同伴をも認めているのであります。又傷病賜金を支給される者には乗車距離の遠近を問わず一年片道四回を限つて旅客運賃の五割引を実施しております。
 然し乍らこれ等の取扱を一般の不具、失明者等にまで今直ちに拡張することは現下の国鉄の輸送の実情に鑑みまして困難でありますので御辛抱願いたいと存じます。
 次に乗車券の優先発売の件につきましては、只今では乗車券については発売の制限をして居りませんので何等御不便はないと存じます。
 又列車の優先乗車の件は現在の現場の事情からして困難な点が多いのでございますが、実情上御気の毒な方については現場でその状況に応じ親切にお取扱申し上げるように指導しております。

  (参考) 傷痍軍人関係

一、乗車証交付中の傷痍軍人数(二二、九、二〇現在)
                一一九、四五七名

二、交付範囲
  増加恩給受給者及び傷病年金受給者

三、交付回数(一回十五日以内)
  特項症及び一項乃至四項症    毎年十二回
  五項症乃至七項症         〃 五回
  一款症乃至四款症         〃 三回

四、附添人同伴
  二項症以上の者及びこれと同等の機能障害を貽する者。