質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第三十九号)昭和二十二年八月二十八日配付

内閣参甲第四六号
  昭和二十二年八月二十六日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出刑務所並に拘置所に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出の刑務所並に拘置所に関する質問に対する答弁書

一、戦災の為刑務所施設が破壊せられ収容能力の減少を来しました反面、戦後社会道徳の低下と社会不安の為犯罪を犯して入所する者が激増した為、各刑務所共拘禁が過剰となり殊に東京拘置所其の他大都市所在の刑務所に於きましては、其の現象が特に顕著でありまして、此の様な状態では、収容者に対して十分なる処遇をすることが出来ないばかりではなく、兇悪なる犯罪を犯して入所して来る者の増加した昨今、治安の面からも誠に憂慮に堪えませぬ。之が対策として当局に於きましても如何にして収容施設を増強すべきかに就き腐心中でありましてその具体的方法としては、現に施行中の刑務所の復興工場を鋭意促進致しますと共に刑務所の増築、並に刑務所に充当すべき遊休施設の獲得等に付きましても目下種々計画中であります。

二、刑務所職員の職務は従来から他に比較し激務でありましたが、近時収容人員が増大し加之兇悪なる犯罪を犯して入所する者の増加に依り看守の負担は著しく増大致したのであります。夫れが為昨年来相当多数の職員を増員致したのでありますが、現在の人員を以つてするも未だ戒護の十全を期することが出来ない状態にありますのみならず、労働基準法を実施する為の増員の必要もあり、当局に於きましては近く相当多数の看守を増員致し度いと考へ目下着々之れが準備中であります。