質問主意書

第1回国会(特別会)

答弁書


(答弁書第三十一号)昭和二十二年八月二十一日配付

内閣参甲第三二号
  昭和二十二年八月十九日

内閣総理大臣 片山 哲      


       参議院議長 松平 恒雄 殿

参議院議員小川友三君提出神社山林の開放に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小川友三君提出神社山林の開放に関する質問に対する答弁書

 我が国の神社には、樹齢二百年、三百年というような巨木があり、その量も全国的に集計すれば相当量によることは御説の通りである。
 もしこれ等巨木のために農地に日蔭を生じ農産物の収量に大いに影響するような個所があれば、政府としては地方庁と連絡の上個々的に実情調査の上伐採その他の手段を考慮したいと思う。神社の巨木に限らず一般的に森林の日蔭による農作物の減収ということは、昔から問題となつてきたものであり、これに対しては農林業の綜合的見地から善処したい考えをもつている。
 又神社の巨木は、その神社の尊厳を示すものであり特に我国の神社は、その境内林の美しさの故に風致地区となり、一般客はもとより外人客の清遊の場所ともなることを考え合わせれば将来の観光計画の上からも、なるたけこれを存置しておくことが賢明な策ではないかと思う。もちろん、存置の必要もなく、しかも用材として利用することが適当であるものについては、伐採等適当な処理を考えたいと思う。
 海外引揚者並びに罹災者等家なき人々に対しては戦災復興院の全体的計画のもとに復興住宅の建設につとめているのであつて、これがため必要な木材は、計画料だけは確実に供給するよう準備を整えているわけであり、その供給源は神社の巨木に限らず国家的見地から伐採の対象となるものすべてについて考慮する考である。