質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第百二十六号)昭和二十二年十一月二十二日配付

戦時公債に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年十一月二十日

北條 秀一      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   戦時公債に関する質問主意書

一、戦時公債とは何々を指しているのか、政府の見解は何うか。

二、次の公債の現在額及び夫々の本年度の利子総額を示してほしい。

満洲事変公債
支那事変公債
大東亜戦争公債

三、前項公債は、何んなところに、何れほど所有されているのか。

四、戦時公債の買上償却は、今日の金融財政対策として、不可避の問題となるのでないかと考えられるが、これについての政府の見解を詳細に説明してほしい。

五、戦時公債の買上償却が不可能ならば、その利子を今後少くとも一ケ年間廃止することは、財政危機克服とインフレ防止のために断行すべきものであると考えるが、これについての政府の見解を詳しく説明されたい。

六、戦時公債の利率の一分引下げについて、大蔵省当局は参議院本会議に於て金融機関への悪影響と通貨の信用維持の見地より不可能であると弁明したが、十分に納得出来ないので、金融機関に対し何の程度の影響を与えるものか等について、更めて利下げ不可能なる理由を詳しく示されたい。

七、戦時公債の利子の支払を二ケ年間廃止するか又は利率引下げを行い、それを財源として戦争犠牲者の更生資金として融資することは、失業対策として社会不安を除くことになり、且つは中小企業振興策となる。
 このことは、海外引揚者等はその所有公債はもとより利子さへも保償されていないのに較べて国内の金融機関等は元利ともに保償されていると云ふ甚しい不均等を、戦争犠牲均分化の政治的道義的根本理念に基づいて解決することとなり、国民を鼓舞激励し、救国民主戦線に勇躍せしめ、今日の危機突破の根本策となると考えるが、これについての政府の見解如何。