質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第九十七号)昭和二十二年十月十八日配付

渡良瀬川堤防工事促進等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年十月十六日

小川 友三      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   渡良瀬川堤防工事促進等に関する質問主意書

一、渡良瀬川の川口たる埼玉県北埼玉郡川辺村の北部決潰口は未だに堤防工事がない。僅かに丸太が運送されたのみである。川辺村、利島村村民は、この政府のスローモーション行為に激昂しておるが、政府は、特に国民を虐待する意思がないと思うが、毎日の天候により村民数千名は、再度の浸水に心痛しておるが、堤防工事促進の予定を報告されたい。なお、これに対する政府の処見を問う。

二、今回の関東地方の大洪水により数千戸の家が流出したが、大部分が水流の下流に押し流され、行くに舟なく、その家屋資材は、水流の下の方の村民により皆拾い取られてしまつておる。或る村では、山と積んで勝手に配給しておるのを視察した。他人の所有物を然かも幾千戸の災害者の家の資材に対し、政府は、流出物に保管を命じたか。命じたならば何千戸分が保存されておるか。明確なる調査のご報告及びその処見を問う。

三、災害のため農民が、農地を失い、住居村より出村し、他村に行き食糧増産に努力致し度い者が続出しておる。例えば群馬県敷島村の大部分の美田は、大水害のため一日にして石の河原に変化し、農地にする一切の条件を失つた。同村以外に同じ沢山の農民がおる。この救済を災害民は、必死で視察議員に依頼する希望は、他村えの出村である。この人々に政府は、農地を与えるべきであるが、政府の責任ある救済の処見を問う。片山内閣の試金石であると思うが如何。

  右質問に対し速かなる答弁を要求する。