質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第七十八号) 昭和二十二年十月二日配付

公団組織と価格並に国民生活と資本金に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年九月三十日

油井 賢太郎      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   公団組織と価格並に国民生活と資本金に関する質問主意書

 酒類配給公団法案の提出に付き政府委員の説明中公団の出資に対しては配当を行う必要がなく中間手数料の減少に依り価格の引下げが出来るとのお話がある(七月十日財政及び金融委員会会議録七頁第一段参照)成程公団に対する政府出費の三千万円に対しては配当の要はないとしても他面現在の都道府県の酒類販売会社及日本麦酒販売株式会社の払込資本金約七千万円に対する最近一ケ年の配当金が僅か百七十二万円に過ぎない事と比較し年間販売高百億円を超すと云われる酒類のコストの低下に果して如何なる影響を及ぼすか考えて頂きたい。公団の出資と民間資本金の差四千万円に対しては復興金融金庫の如き低利を以てしても二百六十万円見当の利子を払わねばならず前記の株式配当に比し決してコストの低廉を来さぬ事は明白である。然も株式の配当金は実際民間人の手に入る迄配当利子所得税、綜合所得税等に依り殆んど半減となる事に鑑み資本金に対する配当金を以て国民生活の障害であるが如き感を国民に与える事は、日本再建の為労資の協調を唱えらるる今日労資の離反を政府自ら劃さるるが如くに誤解さるる虞れなしとせぬ。此際公団組織が必ずしも価格の低下を来さぬ事を明らかにせらるると共に国民生活に対し資本金が果して有害なりや否や政府の明確なる見解を書面を以て御回答に預り度い。