質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第七十一号) 昭和二十二年九月二十九日配付

米麦供出空俵等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年九月二十七日

小川 友三      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   米麦供出空俵等に関する質問主意書

一、米麦の供出に当り農民は、中俵、外俵の二種にて二重に包み供出しておるが、之の価格は十円程度の相場である。ヤミ値卅円である。米麦五千万石の供給には一億二千万俵を要し、之の金額十二億万円である。之の俵は、食糧営団の雑収入として取上げられておる現状である。俵は、農民に返却すべきが民主政治の片山首相の叫ぶ高度化である。返却する意志があるか或は十二億円も横取的行為を連続するか、政府の責任ある答弁を求む。

二、政府は、野菜類、薪炭類の買取価格と配給小売値段に五割以上十割又は廿割前後の大差があるを知つておるか、例えば、野菜類の市場持込価格は一貫平均廿円であるが小売値は、四十円以上一百円である。農作者に安く納入させ、之の大差ある利益は政府の収入か、小売商人の収入か、又薪炭類も薪一束七円弱の納入に対し、小売値は、廿円以上卅円である。農民は、之の大差に政府の不信用を叫んで片山内閣の信用日増に底下しておると言ふが小売利益は、五%前後でよい、多くて一〇%前後でよい。農民の収入増大すべきか、小売値の大巾値下げすべきか。政府は、何れを取るか。

三、政府は、七月九日本議員の自由討議の発言と文書質問によりヤミ農地の調査に八月より入りたる様子なるも其の後全国的に発見されたる闇農作地面積をドシドシ発表すべきであるが、竜頭蛇尾に終りしか、判明せるヤミ農地を発表すべきである。又調査方法には、飛行機による高度調査を利用すれば一ヶ月前後にて全日本の調査は完成すべきであるが、政府の所見を問ふ。

四、政府所有の土地百坪以下の小さな土地が全国都市の戦災地に存在し、住民は、適正値にて借り入れ又は買入れを希望しておるが全く之れ等小坪数の土地は、官庁建築に不足せる豆坪数にて財政困窮の政府が財政上収益の一部に開放すべきであると信ずるが、政府の処見を問ふ。

  右質問に対し速かなる答弁を要求する。