質問主意書

第1回国会(特別会)

質問主意書


(質問第十六号)昭和二十二年八月二日配付

新日本建設運動と国旗尊厳擁護と帰還促進との関連についての質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和二十二年七月三十一日

北條 秀一      

       参議院議長 松平 恒雄 殿



   新日本建設運動と国旗尊厳擁護と帰還促進との関連についての質問主意書

 敗戦と共に日本国民は団結の中心を失つてしまつた。新憲法は実施されたけれども、未だに国民は混迷の状態にあると考えられる。
 新日本建設国民運動はかかる状態の中にあつて前途必ずしも楽観を許さない。それは国民がこの国家的困難を克服しようとして団結すべき現実的中心がないからである。労働者諸君が赤旗の下に情熱と団結を持つて行動することは人情の自然の発露であると思う。五月二日我々は連合軍最高司令官より国旗の返還を受けたことは感謝に堪えないところである。今こそ敗戦日本国民は、この国旗の下に団結し危機の突破に全力を挙ぐべき時である。にも拘らず国旗は全国民から殆んど忘れられた様な有様である。国旗の尊厳擁護を国民運動の中心とすることが正しいと考えるが如何。又これに関する方策について政府に対策ありや。
 最も悲惨なる戦争犠牲者は未帰還同胞である。これ等の帰還促進は当然に下からもり上る国民運動の重要項目であるべき筈であるが政府が先頭に立つて、国民運動要綱を発表し国民の奮起を要望するならばこの帰還促進運動を重要項目として取り上げることによつて之等戦争犠牲者の家族及び之をとりまく多数者を鼓舞せしめることとなると考えるが之に対する見解如何。