請願

 

第201回国会 請願の要旨

新件番号 81 件名 国の責任による三十五人以下学級前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件改善、全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願
要旨  国は、二〇一一年に義務標準法を改正し、小学校一年生の学級編制標準を三十五人に引き下げたが、その後、法改正による標準引下げを行っていない。一方、保護者・地域の願いに応えて、国の標準を下回る独自の少人数学級を実施する自治体は増え続けているが、地方財政は苦しく、国の加配の範囲でしか独自措置できない自治体は少なくない。国が責任を持って少人数学級を前進させるよう求める声が広がっている。今、大きな課題となっている教職員の長時間過密労働解消に向けて最も必要なことは、義務・高校標準法改正による抜本的な定数改善で教職員を増やすことと少人数学級を進めることである。そのために、義務・高校標準法を改正し、抜本的な教職員定数改善を行うことが必要である。同時に、私学の教職員数を増やせるよう、私立高校等経常費助成補助の大幅な増額も必要である。また、高等学校等就学支援金の所得制限を撤廃し、制度を拡充して公立・私立共に学費の無償化を進め、無償教育の漸進的導入(国際人権A規約)を具体化することや、正規・専任の教職員を増やすこと、特別支援学校の過大・過密を解消すること、学校施設・設備の改善など、子供たちが安心して学べる教育条件の整備を国の責任で着実に前進させることが必要である。日本の公財政教育支出の対GDP比(二〇一五年度)は二・九%で、OECD諸国の中で最低である。OECD諸国平均四・二%まで引き上げれば、小・中・高校の三十五人以下学級実現だけでなく、一人一人に行き届いた教育を保障する教育条件整備と公立・私立共に就学前から大学まで教育無償化を進めることが可能となる。憲法と子どもの権利条約が生きて輝く学校づくりを進めるために、全ての子供に行き届いた教育を実現する教育条件整備を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、教育予算をOECD諸国並みに計画的に増やし、行き届いた教育条件整備を進めること。
二、国の責任で小・中学校、高等学校の三十五人以下学級を一刻も早く実現すること。また、幼稚園や特別支援学級・学校の学級編制標準の引下げを進めること。
三、義務・高校標準法を改正し抜本的な教職員定数改善を進めること。
四、教育費の保護者負担を軽減するとともに教育無償化を進めること。
 1 高校・大学等の学費無償化と高校生・大学生等への給付奨学金制度の拡充を進めること。
 2 私学助成国庫補助の増額と就学支援金拡充で学費の公私間格差をなくすこと。
五、公立・私立共に豊かな環境の下で学べるよう、教育条件や施設の改善を進めること。
 1 特別支援学校にだけない「設置基準」を策定し、学校の新設・増設を進めること。
 2 学校の耐震化を進めるとともに、洋式トイレや教室のエアコンの普及を進めること。
六、東日本大震災などの地震や自然災害、福島原発事故の被害を受けた子供を守り、学校と地域の要望を反映した復旧・復興を進めること。

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