請願

 

第196回国会 請願の要旨

新件番号 805 件名 安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交代制労働の改善に関する請願
要旨  医療や介護の現場は、慢性的な人手不足のため、働き続けることが困難な状況である。厚生労働省は夜勤交代制労働の負担軽減など勤務環境整備を求める通知を発出し、医療法に勤務環境改善の努力義務が規定され、都道府県に勤務環境改善支援センターも設置された。二〇〇七年に改定された福祉人材確保指針においても、労働者の負担軽減や介護・福祉の質の確保のための体制づくりが重要であるとしている。しかし、依然として、十六時間を超える長時間夜勤や休息もできない短い勤務間隔、介護施設などでの一人夜勤など、労働者の健康だけでなく、患者・利用者の安全と尊厳が脅かされる実態が改善されていない。労働時間規制を含めた実効ある対策は、猶予できない緊急の課題である。二〇〇七年の参議院における採択請願(夜間は患者十人に一人以上、昼間は患者四人に一人以上など看護職員配置基準の抜本改善、夜勤の月八日以内の規制など)の早期実現はもちろん、ILO看護職員条約・勧告、EU労働時間指令などの国際基準に照らした改善が求められる。
 ついては、安全・安心の医療・介護の実現のため、次の措置を採られたい。

一、医師・看護師・医療技術職・介護職などの夜勤交代制労働における労働環境を改善すること。
 1 一日八時間以内を基本に、労働時間の上限規制や勤務間のインターバル確保、夜勤回数の制限など、労働環境改善のための規制を設けること。
 2 夜勤交代制労働者の労働時間を短縮すること。
 3 介護施設などにおける一人夜勤を早期に解消すること。
二、安全・安心の医療・介護を実現するため、医師・看護師・医療技術職・介護職を増員すること。
三、患者・利用者の負担軽減を図ること。

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