請願

 

第174回国会 請願の要旨

新件番号 566 件名 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願
要旨  我が国の透析患者は二〇〇八年末で約二八万二千人となっており、対人口比で言えば、世界で最も多くの患者がいる。近年は技術の進歩により、透析を導入しても健常者と変わらない高い生活の質が得られるようになり、患者の社会復帰も進み、同時に長期生存が可能となり、日本透析医学会の調査では一〇年以上の透析患者は七万人を超えている。近年の透析患者の特徴は(一)急速な高齢化の進展(二)糖尿病を原疾患とする患者の増加(三)長期治療による合併症を有する患者の増加(四)介護を要する患者の増加などであり、中でも糖尿病性腎症を原疾患とする患者は、視力障害や下肢障害などの合併症の重度化、重複化によって不自由な生活を余儀なくされている。また、透析患者の一五%以上が介護を必要としており、透析治療が可能な介護・生活施設が不足し、長期入院施設も十分ではない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、腎臓病(原因究明と治療)の研究、取り分け慢性腎臓病(CKD)対策及び糖尿病性腎症の予防対策と腎不全・透析治療に移行しないための研究を推進すること。
二、慢性腎臓病についての啓発活動を、広く国民運動として取り組むこと。
三、通院困難な透析患者のための通院介護保障体制と、要介護患者への医療と福祉の連携による総合的対策を確立すること。
四、国民が安心して医療を受けられるよう、医療の場での安全対策を強化すること。
五、医師、看護師、ホームヘルパーなどの医療・福祉従事者不足を早急に解消するとともに、地域偏在をなくすこと。
六、臓器移植推進のための啓発・広報活動を強化するとともに、都道府県所属の移植コーディネーターの増員と身分保障を確立し、さらに院内コーディネーターを増員するよう指導すること。
七、災害時における透析医療の確保と患者の避難・移動を確保する体制を確立すること。

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