請願

 

第173回国会 請願の内閣処理経過

件名 北方領土返還促進に関する請願
新件番号 430 所管省庁 外務省 内閣処理経過受領年月日 H22.5.26
処理要領 一 北方四島の返還要求について、改めて国会において決議することについては、立法府の判断にゆだねられるべきものであると考える。
二 北方領土問題については、これまで戦後六十年以上にわたり議論されてきたが、いまだにこの問題が解決されていないことは誠に遺憾である。
 政府としては、北方領土問題の解決のためには日露首脳間の信頼が重要であると考えており、これまで、首脳レベルの対話を深めながら、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの方針にのっとり、ロシア連邦政府との間で精力的に交渉を行ってきたところである。
 具体的には、平成二十一年九月の日露首脳会談において、鳩山由紀夫内閣総理大臣とメドヴェージェフ・ロシア連邦大統領は、政治と経済を含む諸問題を車の両輪のように進めていくことで一致した。また、鳩山総理から、我々の世代で領土問題を最終的に解決し、平和条約が締結されるようメドヴェージェフ大統領のリーダーシップに期待を表明した。
 また、同年十一月に行われた日露首脳会談では、鳩山由紀夫内閣総理大臣から、従来の冷戦的な思考にとらわれない、プラグマティックな発想の下で、北方四島の帰属の問題を最終的に解決できるようなロシア側の対応を期待している旨述べた。これに対してメドヴェージェフ大統領から、鳩山政権の間で領土問題をぜひ前進させたいと心から思っており、冷戦的な思考でこの問題を議論しても意味はないと思っている旨述べた。平成二十二年四月に行われた日露首脳会談では、鳩山由紀夫内閣総理大臣から、同年六月のG8サミットや同年十一月のAPEC等の場を活用し、両首脳間でこの問題について本格的に議論をしていきたい旨述べたのに対し、メドヴェージェフ大統領から、領土問題は難しい問題であるが、自分はこの問題から逃げるつもりはなく、御指摘のような会合の場を利用して両首脳間で静かな雰囲気の下でじっくり協議していきたいと応じた。
 さらに、外相レベルでも、平成二十一年十二月に行われた日露外相会談において、岡田克也外務大臣からラヴロフ・ロシア連邦外務大臣に対し、「日露行動計画」に基づき日露関係が進む一方、北方四島の帰属の問題について目に見える進展がない旨強調し、ロシア側の積極的な対応を求めた。また、平成二十二年三月に行われた日露外相会談において、岡田外務大臣から、本質的な帰属の問題についても進展を図る必要があり、両国の国境が未画定であることが日露関係の更なる進展を妨げている旨発言したのに対し、ラヴロフ外務大臣から、前進が得られるよう建設的に話し合っていきたく、ロシア側として意識的に交渉を遅らせることは望んでいない旨述べた。
 政府としては、これまでの日露首脳間及び外相間のやり取りを踏まえ、今後とも、政治と経済を車の両輪として進めつつ、最大の懸案である北方領土問題の最終的解決に向けて具体的な進展が得られるよう、強い意思をもってロシア連邦との間で交渉を進めていく考えである。

一覧に戻る