請願

 

第169回国会 請願の内閣処理経過

件名 現行保育制度の堅持・拡充と保育・学童保育・子育て支援予算の大幅増額に関する請願
新件番号 2943 所管省庁 厚生労働省 内閣処理経過受領年月日 H21.2.4
処理要領 一1 保育料の自由化等を含めた保育所における直接契約方式・直接補助方式については、平成二十年三月に閣議決定した「規制改革推進のための三か年計画(改定)」において、「認定こども園の実施状況等を踏まえ、保育所において一体的に導入することの可否について、包括的な次世代育成支援の枠組みを構築していく中で検討」することとしている。これを踏まえ、保育サービスの提供の仕組みを含め、次世代育成支援の制度体系について社会保障審議会少子化対策特別部会において議論しているところであり、これを踏まえ、適切に対応してまいりたい。
 2 保育士の配置基準等保育所の最低基準については、平成十年に乳児に係る保育士の配置基準を三対一に引き上げたところである。今後とも、児童の健全な育ちを確保する観点等を踏まえ、適切に対応してまいりたい。
 3 公立保育所に係る保育所運営費負担金については、いわゆる三位一体の改革により一般財源化されたところであるが、民間主体が設置する保育所に係る費用については、施設の管理・運営責任に関し、地方自治体が責任を有する公立保育所とは異なることや、他の社会福祉事業と比べても事業規模が小さく、経営基盤が必ずしも強くないことから、引き続き、国、都道府県及び市町村がそれぞれ責任を持って負担する必要があると考えている。
二1 保育所及び放課後児童健全育成事業(いわゆる学童保育)については、希望するすべての人が子どもを預けて働くことができる社会を目指し、保育施策を質・量ともに充実・強化するための「新待機児童ゼロ作戦」を平成二十年二月に策定し、今後三年間を集中重点期間とし、取組を進めるとしたところである。
 なお、平成十九年度に放課後児童クラブの質の向上を目指して「放課後児童クラブガイドライン」を策定し、一箇所当たりの子どもの人数規模の目安などを示すなど、行き届いた放課後児童クラブの運営に向けた支援を行っているところである。
また、幼稚園については、引き続き、教育条件の維持向上を図るなど、適切に対応してまいりたい。
 2 保育の実施に当たっては、人材の確保だけでなく、保育の質の向上について、従前から、保育所保育指針や保育士養成課程の見直し等を行ってきたところである。また、一時保育、地域の子育て支援拠点等の多様な保育需要への対応については、平成十六年十二月に策定した「子ども・子育て応援プラン」に基づいて取組を推進してきたところである。引き続き、保育内容の充実に資する施策を推進するとともに、保育所機能の多様化及び強化のための取組に努めてまいりたい。
なお、保育士の処遇については、平成十年に乳児に係る保育士の配置基準を三対一に引き上げたところである。
3 保育所の待機児童の解消については、平成十四年度から、平成十三年七月に閣議決定された「仕事と子育ての両立支援策の方針について」に盛り込まれた「待機児童ゼロ作戦」を進めてきたところであるが、都市部を中心に依然として多くの待機児童が存在していることを踏まえ、「子ども・子育て応援プラン」に基づき、平成二十一年度までに保育所の受入れ児童数の拡大を図っているところである。また、平成二十年二月には、希望するすべての人が安心して子どもを預けて働くことができるサービスの受け皿を確保し、待機児童をゼロにするという目標を掲げ、保育施策を質・量ともに充実・強化するための「新待機児童ゼロ作戦」を取りまとめたところである。特に、政府としては、平成二十年度から平成二十二年度までの三年間を集中重点期間として保育施策や放課後対策を推進することとしているところであり、今後とも、待機児童の解消に向け適切に対応してまいりたい。
三 政府としては、仕事と子育ての両立のために育児休業制度や短時間勤務制度などの柔軟な働き方の普及、定着に努めているところである。また、労働時間については、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成四年法律第九十号)に基づき、労使の自主的な取組を通じ、所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進を進めることにより、その短縮に取り組んでいるところである。
また、平成十九年十二月に策定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を踏まえ、その趣旨を盛り込むべく労働時間等設定改善指針(平成十八年厚生労働省告示第百九十七号)を改正したところであり、その内容について改めて周知啓発を行うこと等により、長時間労働の抑制に向けた企業の取組を促進しているところである。
 さらに、仕事と生活の調和がとれた社会を実現するために、長時間労働の抑制を図ることが重要であることから、①法定割増賃金率について中小企業にも配慮しつつ引上げを行うこと等を内容とする 労働基準法の一部を改正する法律(平成二十年法律第八十九号)が、第百七十回国会で成立したところであり、②労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年労働省告示第百五十四号)において、一定時間を超える時間外労働をできるだけ短くするよう努めることを労使双方に求めること、③労働基準監督署による重点的な監督指導の強化等を併せて行うこととしているところである。
少子化対策については、「子ども・子育て応援プラン」に基づき、若者の自立、働き方の見直し、地域の子育て支援など各般にわたる取組を進めており、平成十九年度予算においては、児童手当の乳幼児加算の実施や育児休業給付の引上げなど出産前後や乳幼児期における経済的支援を充実し、さらに平成二十年度予算においては、地域子育て支援拠点の拡充、平成十九年度に創設された「放課後子どもプラン」の全小学校区における推進等の地域の子育て支援策の充実等、政府全体として歳出を抑制する中で最大限の措置を盛り込んでおり、これらの事業の確実な推進に努めてまいりたい。

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