請願

 

第166回国会 請願の要旨

新件番号 1502 件名 気象事業の整備拡充に関する請願
要旨  近年、集中豪雨や津波を伴う大地震などが頻発している。取り分け、昨年から今年にかけては、自然災害が続発し、災害から生命や財産を守るためのより精度の高い、きめ細やかな情報の提供を求める声は、切実さを増している。ところが、二〇〇六年に行われた、行政の減量効率化の議論では、気象庁全体を国の機関から切り離して、天気予報や注意報・警報などの気象情報をすべて有料で提供することが検討された。これは、国民の生存権の保障という憲法で規定された国としての責務を投げ捨てようとする重大な行為である。また、二〇〇五年にスマトラ沖で発生した大地震による津波災害を契機に、防災活動は国の第一義的責任において行われるべきものであることが、国際的な共通認識となっていることからも許されることではない。国家財政が逼迫(ひっぱく)する中、気象庁は、国民一人当たり年間約四五〇円、月三八円に満たない極めて限られた予算で業務を運営している。民間の気象会社が行っている個人向けの気象情報の提供が月額約一〇〇円ということからも、効率性の高さを見て取ることができる。過去の自然災害の教訓から、注意報・警報などの防災情報を高度化していくためには、単に予測精度の向上にとどまらず、自然現象の確実な捕捉(ほそく)と、防災関係機関への確実な情報の伝達、そして利用者に対して、十分、支援・指導ができることが必要であり、加えて、地域の産業や生活に役立つ気象情報についても、国の直接的な責任で提供されるべきである。自然現象の観測監視や調査研究、数値予報を始めとする技術開発などの気象庁における基盤となる業務の充実・強化を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、国の直接の責任で、より精度の高いきめ細かな防災情報、暮らしや地域産業に密接にかかわる気象情報が提供できるよう、気象事業全般の基盤の強化を行うこと。

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