請願

 

第164回国会 請願の内閣処理経過

件名 ブラジルとの犯罪人引渡し条約に関する請願
新件番号 3374 所管省庁 外務省 内閣処理経過受領年月日 H18.11.8
処理要領 一、我が国で犯罪を犯し国外に逃亡したブラジル人逃亡犯罪人の問題は、政府として然るべく取り組むべき重要な課題であると認識しており、「逃げ得」は許さないとの立場を基本とし、鋭意取り組んでいるところである。
二、このため、平成一八年六月、政府はブラジル政府に対し、両政府間で、今後犯罪人引渡条約の締結を目指し、同時に、個別事件の訴追の実現を促進することを目的とした協議の場を立ち上げることを提案した。かかる協議の開始に向け、政府として引き続きブラジル側に対し働きかけていく。
三、ただし、ブラジルの憲法上、自国民の引渡しについては、同国への帰化以前に犯した犯罪及び麻薬取引に関与している場合を除き、いかなる場合にもこれを行わない旨規定されている。また、これまでにブラジルが憲法の規定にもかかわらず自国民を引き渡した例はないと承知している。したがって、ブラジルとの犯罪人引渡条約の締結に関しては、同条約を締結したとしても、基本的には、我が国からブラジルに逃亡したブラジル人犯罪人の引渡しが可能となる見込みはないと考えられることに留意する必要がある。
四、他方、ブラジルの法制上、条約の有無にかかわらず、一定の条件の下で、国外で犯罪を犯した自国民を処罰することができることとなっている。、このため、平成一八年八月、政府はブラジル政府に対し、日本国内で犯罪を犯し、ブラジルに逃亡しているブラジル国籍を有する被疑者数名について、ブラジルにおいて国外犯処罰に係る手続が開始されることに重大な関心を有していることを外交ルートを通じ申し入れるなど、個別の事件について、ブラジル国内での処罰に向けブラジル側との調整を行っている。
五、また、自国民の引渡しが行われない場合の自国民の処罰に関する規定を含む犯罪人引渡条約を締結すれば、ブラジル人逃亡犯罪人の「逃げ得」を防ぐ上で意義があると考えられることから、そのような条約の締結の可能性についても検討を進めている。

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