請願

 

第162回国会 請願の要旨

新件番号 622 件名 戦時中の朝鮮人民間徴用者の遺骨収集に関する請願
要旨  かつて我が国が朝鮮を約三六年にわたる長期間、植民地として支配したことは歴史的事実である。太平洋戦争の激化の渦中で労働力不足の解決のため多数の朝鮮人を徴用して炭坑、軍需工場などに動員した。強制的に連行された朝鮮人は過酷な労働条件の下で命を落としたが、何人の朝鮮人が、いつ、どこで死んでいったのかについては、ほとんど調査されていない。生死も分からない父を、夫を、息子を待ち続ける家族が韓国にも数多くいるのが現実である。昨年末、日韓首脳会談において韓国大統領は「国交正常化四〇周年を機に更に協力を進めていく上でも歴史認識問題の解決が重要だ。日本で判断することを希望する」と発言し、「戦時中の民間徴用者の遺骨収集への協力をお願いしたい」と小泉首相に要請したが、政府は大統領の要請に対して具体的な対応をいまだ成し得ていない。早急に遺骨の発見と収集作業に着手し一日も早く遺族に遺骨を返還し、過去の過ちを誠意を持って清算しなければならない。政治の問題であるよりも人道にかかわる問題であることを改めて認識するよう求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、公開されていない当時の関連文書を公開し、徴用の実体を解明すること。
二、徴用朝鮮人を雇用していた企業に対し文書でその氏名、生死の別、死亡の原因、埋葬場所等を報告させること。
三、日本国内で調査活動を展開している朝鮮人強制連行真相調査団の要に積極的に協力し、今日までの調査の成果を活用すること。

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