請願

 

第159回国会 請願の要旨

新件番号 202 件名 父母負担を軽減し、行き届いた教育を進めるための私学助成の拡充に関する請願
要旨  近年、子供をめぐる状況は、少年事件の続発、不登校・退学者の急増、学級崩壊、授業崩壊など、年々深刻さを増しており、教育改革、学校改革が急がれている。そのためには、教育条件の改善と父母負担の公私格差の是正が急務である。日本の公教育は、公立学校と私立学校の両輪によって支えられ、私学は、独自の教育を創造し、教育改革の先陣を担ってきた。しかし、私学を取り巻く環境と条件は、少子化、不況とも重なって、極めて深刻な事態となっている。最大の問題は、学費と教育条件の大きな公私格差である。平成一五年度の愛知県の私立高校の初年度納付金は約六二万円で、公立と比べて五・三倍の開きがある。不況とも重なって、経済的理由で退学する生徒や授業料の滞納者が急増し、私学を選びたくても選べない状況がますます広がっている。教育条件を見ても、高校生一人当たりに直接掛ける教育費が公立約八七万円に対して私学が約七五万円と、その差は歴然としており、公立では教職員定数法の第六次改善が着実に進行する中で、私学はこれに対応できないのが実態である。取り分け、愛知県では、平成一一年に、私学助成は総額で一五%、高校生一人当たり約五万円もカットされ、総額抑制はなお続いている。そのために、学園財政が逼迫(ひっぱく)し、専任教員増もできず、教育改革にも支障を来している。このような私学助成の削減、抑制の動きは、どの都道府県でも強まっており、今日ほど、国の支えとリーダーシップが求められているときはない。そんな折、「三位一体改革」と称される国の財政改革によって、私学助成を含む国庫補助が削減・廃止され、地方交付税交付金と共に、国が地方に移譲する財源も縮小されようとしている。こうした動きが現実となるならば、国の助成(基準単価)を土台としてきた都道府県の私学助成は、根底から揺らぎ、極めて深刻な事態となる。
 ついては、学校と教育を何よりも最優先した「米百俵」の精神で、二一世紀を担う子供のため、次の事項について実現を図られたい。

一、私立高校以下の国庫助成と地方交付税交付金の積算単価を大幅に増額し、私学助成を拡充すること。
二、授業料など教育費の父母負担を軽減するため、授業料直接助成を実現すること。また、教育費支出に対する課税控除を実施すること。
三、私学が公立と同一水準の教育条件を確保するために、専任教職員増を主に、教育改革促進を目的とした特別助成を実現し、拡充すること。

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