請願

 

第159回国会 請願の内閣処理経過

件名 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願
新件番号 1671 所管省庁 厚生労働省 内閣処理経過受領年月日 H16.11.4
処理要領 一 身体障害者の介護については、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)に基づき、必要な施設サービス及び在宅サービスの提供を行っているほか、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)に基づき、六十五歳以上の要介護状態又は要支援状態にある者及び四十歳以上六十五歳未満の加齢に起因する疾病により要介護状態又は要支援状態にある者に対して、必要な介護サービスを提供している。
 今後とも、これらの施策を進めることにより、介護サービスの適切な提供が図られるよう努めてまいりたい。
二 透析患者の重症化及び障害の重複化に対する医療面の対策としては、厚生労働科学研究費補助金による「循環器疾患等総合研究事業」により、腎疾患に関する研究に対して助成を行うとともに、同補助金による「難治性疾患克服研究事業」により、腎疾患のうち難治性や希少性がある特定の疾患に係る研究に対して助成を行う等、効果的な治療の在り方等に関する研究を進めているところである。
 また、腎疾患による腎臓の機能の障害を有する者で介護を必要とするものを含め、介護を必要とする者に対しては、一で述べたとおり、身体障害者福祉法等に基づき、必要な介護サービスを提供しているところであり、今後とも、介護サービスに係る基盤の整備を推進してまいりたい。
三 腎疾患による腎臓の機能の障害を有する者のうち、身体上の障害のため日常生活を営む上で支障がある身体障害者については、身体障害者福祉法に基づく身体障害者居宅介護等事業により、通院の際の介助サービスが提供されているところである。
 身体障害者居宅介護従事者等については、「重点施策実施五か年計画(新障害者プラン)」(平成十四年十二月二十四日障害者施策推進本部決定)において、整備目標を設定し、計画的に増員を図っており、今後とも、目標の達成に向けて、積極的に取り組んでまいりたい。
四 「二十一世紀における国民健康づくり運動(健康日本二十一)」(平成十二年三月三十一日付け健医発第六百十二号厚生省保健医療局長通知)において、糖尿病の一次予防の推進を図る観点から、生活習慣の改善、糖尿病有病者の早期発見及び治療の継続について目標を設定するとともに、食生活の改善を図り、生活習慣病を予防する観点から、「食生活指針」(平成十二年三月二十三日文部省、厚生省、農林水産省決定)を策定し、政府としては、その普及啓発を進めているところである(「食生活指針の推進について」(平成十二年三月二十四日閣議決定))。さらに平成十五年五月一日に施行された健康増進法(平成十四年法律第百三号)に基づき定められた国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成十五年厚生労働省告示第九十五号)を踏まえ、きめ細かな健康情報の提供を推進しているところである。
五 急速な少子高齢化の進展の中で、保健医療サービス及び福祉サービスの担い手となる看護師、訪問介護員等の人材確保は極めて重要な課題であり、看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八十六号)や社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に基づき、資質の向上、養成力の強化、就業の促進、処遇の充実、離職の防止等総合的な対策を推進しているところである。
 看護師等については、平成十六年度において、引き続き、院内保育施設及び看護師等養成所の運営並びに都道府県が行う看護師等修学資金の貸与事業及び看護職員の確保が困難な医療機関を対象とする就労確保に関する調査、相談等の総合的な支援事業に対する国庫補助を行っているところである。
 また、訪問介護員についても、平成十六年度において、引き続き、資質の向上や離島等での人材確保の観点から、国庫補助を行っているところである。
六 臓器の移植に関する法律(平成九年法律第百四号)において、地方公共団体は、移植医療について国民の理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨規定されていることを受け、各都道府県においては、都道府県臓器移植連絡調整者(以下「都道府県コーディネーター」という。)を、腎バンク、病院等の臓器移植対策の推進に適すると認める場所に設置しているところである。このため、都道府県コーディネーターの増員及び個々の都道府県コーディネーターの就業条件等その身分に係る取扱いについては、各都道府県において決定されるものであると考えている。
 なお、政府としては、都道府県コーディネーターには、移植医療を含めた医学的知識や法制度等について一定以上の理解や知識が求められるものであると認識しており、このため、その質を担保する観点から、医療有資格者等であって社団法人日本臓器移植ネットワーク(以下「ネットワーク」という。)が行う試験に合格したものであること等その採用に当たって求められる 基準を示すとともに、ネットワークにおいて行う研修に対して国庫補助を行うほか、都道府県コーディネーターがネットワークの指揮命令下であっせん業務を行う際の活動費について国庫補助を行っているところである。
七 大規模災害発生時の人工透析に係る医療体制については、「厚生労働省防災業務計画」(平成十三年二月十四日付け厚生労働省発総第十一号厚生労働大臣通知)において、被災都道府県は、
(一) 社団法人日本透析医会が提供する被災地等における人工透析患者の受療状況や透析医療機関の稼働状況に係る情報を、透析患者や患者団体に提供すること
(二) 透析医療機関における水・医薬品等の確保
等の必要な措置を講ずることとされており、政府としては、大規模な災害が発生したときは、その都度、被災都道府県及び社団法人日本透析医会に対して、同計画に基づく人工透析提供体制の確保に遺漏なきよう通知しているところである。
 今後とも、大規模な災害発生時にも対処できる透析治療体制の確立に向けて、都道府県及び社団法人日本透析医会と連携して、適切に対応してまいりたい。

一覧に戻る