請願

 

第155回国会 請願の要旨

新件番号 1284 件名 公的年金制度を改革し、最低保障年金制度を創設することに関する請願
要旨  この十数年来、政府は憲法第二五条(生存権、国の生存権保障義務)を踏みにじり、年金の保険料を引き上げる一方で給付を切り下げてきた。保険料が高くて払えないため、六五歳以上で年金のない人は約五五万人に上る。低額の国民年金の人も多く、無年金者と合わせると、将来九〇〇万人を超えると推計されている。厚生(共済)年金は、従来六〇歳から六五歳になるまで支給されていた老齢年金のうち定額部分の支給は二〇〇一年から六五歳まで段階的に引き延ばされ、報酬比例部分の支給も二〇一三年から六五歳まで段階的に引き延ばされることになっている。現役労働者にとってはリストラに加え老後の不安が重なってくる。またパート、派遣労働者など雇用が不安定な人が増え、厚生(共済)年金の未加入者となっている。ところが政府は「経済・財政運営の基本方針」で社会保障を削減し国民に更なる痛みを強要しようとしており、年金についても保険料を引き上げ課税を重くしようとしている。高齢者は低い年金の上に重い介護保険料・利用料、医療費の自己負担で苦しんでいる。地方議会でも二〇〇一年六月現在、一、三六七議会が国に改善要求の意見書を提出しており、世論は全国的に広がり、強まっている。
 ついては、次の措置を採られたい。

一、年金制度を抜本的に改革し、全額国庫負担(大企業の負担と国の一般財源)による「最低保障年金制度」を創設し、無年金の人や低額の年金の人をなくすこと。
二、前項の改革が実現するまでの間、次のことを緊急に実施すること。
 1 直ちに国民年金(基礎年金)に対する国庫負担を約束どおり三分の一から二分の一に増額すること。また、できるだけ早く全額とすること。
 2 無年金の人や低額の年金の人に基礎年金に対する国庫負担相当額を支給すること。
 3 連続して行われた年金制度の改悪を元に戻し、改善を図ること。
  (一)公的年金の支給開始年齢は原則六〇歳とすること。
  (二)厚生(共済)年金の賃金スライドと、これに見合う国民年金の加算を従前どおり実施すること。
  (三)厚生(共済)年金の報酬比例部分の五%削減を取りやめること。
  (四)保険料を引き上げないこと。年金に対する課税を重くしないこと。
三、年金支給額の五年分の積立金は過大であり、これを年金制度の改善のため計画的に活用すること。

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