請願

 

第154回国会 請願の要旨

新件番号 4809 件名 食品衛生法の抜本的見直し等に関する請願
要旨  食の安全・安心は消費者にとって大きな願いである。近年、人も発症するおそれのあるBSE(牛海綿状脳症)が我が国においても確認され、また、これに端を発するように偽装表示が次々と発覚している。BSE問題においては、WHO(世界保健機構)から肉骨粉の使用禁止を勧告されていたにもかかわらず禁止しなかったという政府の失政が明らかになるとともに、食の安全に関する行政は複数の省庁にわたっているにもかかわらず相互の連携はなく責任の所在もあいまいであることが判明した。さらに、違反に対する罰則が甘い上、チェックするための検査員が全国で百二十人しかいないなど、偽装しやすい背景があることも問題点として指摘されている。以前から食に関する問題は度々発生していたが、輸入食品が氾濫(はんらん)し、流通規模も拡大した現代では一たび問題が発生すると更に大きな被害を及ぼすことが多く、病原性大腸菌O‐157を始め大規模な食品問題がいつ発生してもおかしくない状況にある。このような食をめぐる問題に対応する法律の中心は食品衛生法であり、同法は終戦直後の昭和二十二年に制定されたものである。その後、何度か改定されたものの、一部改定のみでは今後の問題の解決にはつながらない。今必要とされているのは、国民の健康を最優先し食の安全を確保するための包括的な法律や行政組織を整備することであり、地産地消運動などを通じて食の安全を次世代につなぐことである。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、新しい法律に合わせて、食品衛生法を始め現行の食の安全にかかわる法律を抜本的に見直すこと。中でも、増加している輸入食品に対する検査体制を特に強化すること。

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