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参議院のあらまし

委員会の活動(1)法律案の審査

 委員会で審査される法律案には、衆参両院の議員提出による法律案、政府提出の法律案の二種類があります。

 議員提出による法律案については所属する院の議長に、政府提出法律案については衆参いずれかの議院へ提出されます。また、提出されなかった院にも予備審査のため送付されます。

 議長は、提出又は他院から送付された法律案を適当の常任委員会に付託しますが、特に必要があると認めた法律案又は常任委員会の所管に属しない特定の法律案については、議院に諮り特別委員会を設けてこれに付託することもあります。

 付託された委員会では、まず法律案の趣旨説明を聴取します。議員提出の法律案であれば発議者、政府提出の法律案であれば所管大臣から説明を聴取します。他院において修正がなされている場合は、当該委員会の修正案提出者等から、その修正部分の説明を聴取します。

 次に質疑に入ります。質疑とは議題について、その趣旨や疑義を質すもので、提出者に対して行います。

 また重要法案を審査する際には、参考人を招致し意見聴取を行ったり、公聴会を開会し利害関係者等から意見を聴き審査を深めるという手法を採ることもあります。このほか幅広く国民の意見を聴くために、地方に委員を派遣し、いわゆる地方公聴会を開会することもあります。

 こうした審査を経て法律案に対する問題点の解明がなされると、委員長は質疑の終局を宣告します。修正を希望する委員がある場合は、質疑終局の後、修正案を提出します。

 次いで討論に入ります。討論者は、案件に対する賛否を明らかにし、原案に反対、賛成の順序で交互に大会派から行います。なお、修正案が提出されているときは、原案に併せて討論を行うことになります。

 討論が終局すると、委員長は議題を宣告して採決を行います。修正案が提出されているときは、まずこれについて採決を行い、修正案が可決されると修正部分を除いた残り原案について採決を行います。修正案が否決された場合は、原案について採決を行います。

 法律案が可決された後、その法律案に対して附帯決議が付されることがあります。附帯決議とは、政府が法律を執行するに当たっての留意事項を示したものですが、実際には条文を修正するには至らなかったものの、これを附帯決議に盛り込むことにより、その後の運用に国会として注文を付けるといった態様のものもみられます。附帯決議には、政治的効果があるのみで、法的効力はありません。 こうして委員会で可決された法律案は、本会議に上程され同一会期に両院で可決されると、政府による公布手続を経て法律となります。

 しかし、法律案の取扱い等について協議が整わなかった場合、あるいは審議時間が十分確保できないまま会期末を迎えることもあります。この場合、委員会及び本会議で閉会中も継続して審査することを議決すると、次国会以降も審議が継続されますが、この手続がなされないと審査未了(廃案)となり、次国会以降改めて国会に提出されるのを待って審査されることになります。

 こうした一連の審査の進め方は、当該委員会の委員長、理事で構成される理事会で協議され、その合意に基づき行われています。