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憲法第90条第1項には、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」と定められています。毎会計年度の決算は、内閣から衆議院、参議院の両院に同時に提出され、それぞれの院で審査が行われます。
決算審査の意義は、国会で議決された国の予算の執行実績を審査することにより、その結果を後年度の予算編成や政策遂行に反映させることにあります。すなわち、決算審査は、国の予算が適法に目的どおり使用されたか、その効果を発揮することができたかといった観点から、各省庁等の予算執行の状況等を審査し、不適正なものや非効率なものがあればこれを内閣に警告するなどして、将来の財政の計画や執行を一層適正なものにしていくという重要な役割を担っています。
参議院では、決算審査を重視し、これまで、内閣に対し早期提出を求め、自らも早期審査に努めるなど、決算審査を充実させるために種々の改革を行ってきました。その結果、平成13年度決算の審査以降、通常国会会期中に審査を終了しているほか、16年11月には、15年度決算の秋の臨時国会への早期提出が実現し、17年度予算政府案決定前の審査開始が可能となりました。これにより、決算審査の内容を予算編成に反映させるという予算・決算のサイクルが確立されてきました。
参議院における決算審査の流れと予算編成時期との関係は、おおむね次のとおりです。

平成20年度決算は、第173回国会(臨時会)中の平成21年11月24日に決算検査報告とともに国会に提出されました。参議院では、11月30日の本会議で概要報告・質疑が行われ、同日決算委員会に付託されました。
第174回国会(常会)に入り、決算委員会においては、22年1月27日に財務大臣より決算について説明を聴取するとともに、会計検査院長より決算検査報告について説明を聴取しました。次いで、2月4日には、内閣総理大臣を始め全閣僚が出席して全般質疑を行いました。なお、1月27日に、19年度決算に関する本院の議決及び措置要求決議に対し政府が講じた措置について財務大臣から説明聴取を行い、3月29日に質疑を行いました。その後、全府省所管の決算を省庁別にグループ分けして順次審査を行う省庁別審査を7回行いました。
第176回国会(臨時会)に入り、10月18日に決算委員会において内閣総理大臣以下全閣僚出席の締めくくり総括質疑を行い、第177回国会(常会)の23年2月14日において各派代表による討論を行った後、採決の結果、20年度決算は賛成多数により是認すべきものと決定し、決算委員会での審査を終了しました。
委員会での審査を終えた20年度決算は、2月16日の本会議において、決算委員長から決算委員会における審査の経過と結果が報告され、是認することに決しました。
決算委員会での審査においては、各府省の決算に関する様々な問題が取り上げられ、幅広く質疑が行われましたが、主なものを挙げれば、次のとおりです。
20年度決算検査報告において、指摘金額が2,364億5,000万円と2年連続で過去最悪となり、不当事項等の指摘件数も過去2番目に多い708件に上り、さらに、過去に指摘を受けた不当事項のうち、是正措置が未済となっているものが481件、131億5,000万円にも上り、前年度に同様の指摘を受けた後も、依然として事態が改善していない状況が明らかとなりました。委員会においては、決算検査報告の指摘金額が過去最悪となったことに関しての所見などについて質疑が行われました。
20年度決算検査報告において、内閣府を始めとする1府4省の物品購入等に当たり不適正な経理処理が行われ、また、会計検査が行われた26府県、2政令市、13市町村の自治体のすべてで、農林水産省及び国土交通省所管の国庫補助事業に係る事務費等に関して、業者に架空の取引を指示して虚偽内容の書類を作成する等の不適正経理が行われていた事態が明らかとなりました。委員会においては、前年に続いて地方自治体の不適正経理が指摘されたことを受け、どう再発防止に取り組むかなどについて質疑が行われました。
独立行政法人が20年度に締結した契約を見ると、随意契約が依然として全体の57.3%と過半を占めるなど、実質的な競争性が確保されているとは言い難い状況になっており、また、国家公務員OBが関連法人の役員に多数天下りし、当該法人と不透明な契約関係にある独立行政法人も見受けられることなどが明らかとなりました。委員会においては、随意契約全体の4分の3が落札率99%以上、3分の2が100%となっている事態は異常であり、広範囲に官製談合が疑われる状況となっていることに関しての認識などについて質疑が行われました。
航空自衛隊が発注したオフィス家具等の調達に関して、航空自衛隊第一補給処の職員がOBの天下り先であるメーカーに対してそれぞれの受注目標を事前に設定し、発注者としての意向を示すなど官製談合事案が発生したことから、22 年3月、公正取引委員会から防衛省に対して初の改善措置要求が出されました。委員会においては、官製談合が後を絶たない状況をどう認識し、再発防止の措置を採るのかなどについて質疑が行われました。
参議院決算委員会では、決算の議決に当たって、「内閣に対する警告」と「措置要求決議」を行っています。
「内閣に対する警告」は、いわゆる警告決議として、政府の不当・不適正な事業や非効率な予算執行などを批難し、是正を求めることを内容としています。「措置要求決議」は、決算審査で取り上げられた問題の中で、決算委員会として、決算的観点から行政の制度面や実施面での改善が必要と考えるものなどについて、政府や会計検査院等に対し適切な措置を講じるよう求めるものです。
なお、平成20年度決算審査では、以下の項目について「警告決議」及び「措置要求決議」を行いました。決議の具体的内容は、参議院ホームページに掲載されています。
参議院決算委員会では、平成9年に設けられた国会法第105条の規定による会計検査院に対する検査要請の制度も積極的に活用しています。17年6月に、15年度決算審査で取り上げられた事項に関して9件の検査要請を行ったのを始め、16年度決算で3件、17年度決算で3件、18年度決算で5件、19年度決算で3件、さらに、20年度決算の審査でも2件の検査要請を行いました。会計検査院から検査結果が報告されたものについては、委員会において会計検査院より説明を聴取し、政府及び会計検査院に対し質疑を行っています。
20年度決算の審査において取り上げられた事項に関する2件の検査要請は次のとおりです。