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参議院60周年記念論文入賞者



町の活性化

愛媛県 伊方町立瀬戸中学校 2年
中村 彩恵

 私が住んでいる所は、日本でも指折りの田舎町です。愛媛県の佐田岬半島というところにあるとても小さな町です。しかし、瀬戸内海と宇和海に囲まれて自然豊かな地域です。多種類の海産物や農作物がとれます。中には「ちりめん」「みかん」「金太郎芋」など、都会へ出荷されるものもたくさんあります。
 また、伊方町は電気の町です。原子力発電所だけでなく風力発電施設の建設も急ピッチで進んでいます。私の家からも、丘の上で勢いよく回る風車がよく見えます。
 こんな田舎に住んでいる私たちが「東京」という言葉を聞くと、大都会というイメージが強くあります。高層ビルに、国会議事堂など、有名なものがたくさんあって国際化がどんどん進んでいます。テレビなどで見る都会にあこがれを感じます。私も一度でいいから都会で住んでみたいと考えています。
 今、東京をはじめとして様々な都市が急速に発展しています。経済や交通、生活環境などがどんどん変化していっています。ますます便利になっています。それに対し、こういう変化についていけていないところもまだあると思います。例えば、北海道の夕張市では、お金を使いすぎて今、大変な事態になっています。昔は栄えていた街でも、一つでも道を間違えたらこういう危機に陥ってしまいます。
 私の住んでいる小さな町にもいろいろな悩みがあります。県庁所在地の松山まで行くのに車で2時間以上かかるし、近くに大きなショッピングセンターもないので、買い物も不便です。夜になるとお店は閉まってしまい、急に必要なものを手に入れることができません。国道は整備されていますが、公共交通機関は必ずしも使い勝手の良いものではありません。便数も少ないし、料金も高額です。利益が上がらないからバス便が少ないのは仕方がないかもしれませんが、高齢者の増えている今、なんとかできないものでしょうか。このままでは、国と地方の格差がますます広がってしまいます。地方に住んでいる高齢者への手厚い保護をするためにもっともっと考えてほしいと思います。交通費の無料化などは無理なのでしょうか。病院の数も少なく、病気になったら一日かがりで遠くの病院まで行かなければなりません。高齢者だけでなく、私たち子どもにとっても大変です。巡回診療などの工夫ができないのでしょうか。都会のようにすぐに診てもらえるような体制を作ってほしいです。
 また、私のように都会に行きたいと考える子ども達が少しでも少なくなるようにしてほしいです。このままでは、私たちの町は高齢者だけの町になってしまいます。若い人が残りたいと思う町、若い人の働く場所のある町を作ってほしいです。国の機関や研究所などをこの佐田岬半島にも作ってほしいです。
 しかし、この佐田岬でも、地域を活性化していこうといろいろな活動をしている人がたくさんいます。私の地域にも太鼓集団があります。私もその太鼓グループに入って活動しています。練習は大変ですが、文化祭などで披露する楽しみもあります。
 そういうふうに頑張っている人たちへの支援が充実すれば、人もたくさん集まるようになるのではないでしょうか。
 まだまだ、この佐田岬半島には良いところがたくさんあると思います。それを探してもっともっと私たちの町が活性化するように私も頑張りたいと思います。