質問主意書

第201回国会(常会)

質問主意書


質問第一三号

NHKのテレビ番組とインターネット配信による「常時同時配信」の実施において、パソコンやワンセグ機能のないスマートフォン所持の場合の受信契約の義務に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

令和二年一月二十日

浜田 聡

参議院議長 山東 昭子 殿


   NHKのテレビ番組とインターネット配信による「常時同時配信」の実施において、パソコンやワンセグ機能のないスマートフォン所持の場合の受信契約の義務に関する質問主意書

 二〇二〇年一月十四日、高市早苗総務相は閣議後記者会見で、テレビ番組を放送と同時にインターネットで配信する「常時同時配信」を柱とした日本放送協会(以下「協会」という。)のネット業務の実施基準案を認可する方針を示した。協会は、三月から試行的に常時同時配信を始め、四月から本格サービスに入る予定となっている。また、総務相は会見で、協会が修正した基準案について「おおむね妥当だ。一定の条件を付した上で認可することが適当と審議会に諮問する」旨表明した。
 受信契約及び受信料について定めた放送法六十四条には「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定されている。しかし、今回のインターネットでの常時同時配信が始まれば、いわゆるテレビ・ワンセグ・カーナビだけでなく、インターネットと接続できるパソコンやタブレット類など(以下「パソコン等」という。)多様なインターネット接続機器すべてが協会との放送受信契約の対象と解釈されかねない。そもそも現在の国民がパソコン等を購入した当時は「常時同時配信」が存在しておらず、協会の放送を受信する目的でパソコン等を購入していないのは明白である。それにもかかわらず、パソコン等の所持により、放送受信契約を締結させるのは如何なものか。パソコン等の所持が放送受信契約締結義務の対象というのであれば、事業者向けの場合は、受信設備の設置場所ごとの契約が必要であり、そのようなことが認められれば、各家庭だけでなく、消費増税と米中貿易摩擦のダブルパンチにより工作機械受注が前年比三十二・三パーセント減となる等、リーマンショックを超えた日本の不景気を息も絶え絶えながらこらえている本邦法人に大きな混乱が起きかねない。想定外の大きな出費が発生する可能性があることは個人にとっても法人にとっても由々しき問題であると考える。
 右を踏まえて、以下質問する。

  • 一 事務機器や連絡用として使っているパソコン等について、協会との放送受信契約は必要か。契約の締結義務がある場合、それは地上契約となるのか、それとも衛星契約か。
  • 二 ワンセグ機能が付いてないスマートフォンや携帯電話、タブレット類について、協会との放送受信契約は必要か。契約の締結義務がある場合、それは、地上契約となるのか、それとも衛星契約か。
  • 三 前記一及び二について、放送受信契約締結義務がない場合、政府は、現時点において、将来パソコン等を放送受信契約締結義務の対象とする考えはあるか。

右質問する。