請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 1058 件名 航空機衝突事故防止に関する請願
要旨  令和六年一月二日、羽田空港において日本航空と海上保安庁(以下「海保」という。)の航空機衝突事故が発生した。海保機に最新のADS―Bトランスポンダが搭載されていれば、機体のGPS情報、機体の高度・対地速度情報などが周囲の航空機に毎秒送られるので事故は防げたとされる。また、羽田空港C滑走路につながるC5誘導路の停止線灯が整備されておらず、夜間離着陸に停止線灯があれば海保機の滑走路への侵入を防止できた可能性がある。管制塔と海保機長とのやり取りでそごが発生したのは、海保側で利用されている航空管制マニュアルに問題があった可能性も否定できない。ただし、管制塔と機長の間で発生する人的ミスを防ぐための衝突事故防止システムの構築と保守メンテナンスは、羽田空港と海保を管轄する国土交通省の役割であり、羽田空港も海保も管制関連システムや事故防止設備への十分な予算が用意されていなかったことにも衝突事故発生の要因がある。その結果、海保隊員五名の尊い命を奪う事故につながったのであり、海保機長に全責任が押し付けられるかのような事態を看過することはできない。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、海上保安庁機長に全責任を負わせず、事故再発対策に努め、被災地支援に従事する海保隊員の士気維持に配慮すること。
二、国土交通省は海上保安庁の保有する全機体に最新の衝突防止装置を設置すること。
三、国土交通省は羽田空港の管制・管制設備及び滑走路の事故防止設備を設置すること。

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