請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 889 件名 全ての私立学校に正規の養護教諭を配置し、子供の命と健康が守られる教育条件を求めることに関する請願
要旨  ここ数年、不登校の高校生は五万人を大きく超え、不登校の小・中学生も約三十万人に急増している。また、自殺した児童・生徒は五百人を超えており過去最多になっている。日本の子供たちは過度な競争にさらされ心身に悪影響を及ぼしていると国連子どもの権利委員会に指摘されており、子供の健康実態として、起立性調節障害(OD)・過敏性腸症候群などの自律神経系の症状、鬱、偏頭痛、自傷行為、アナフィラキシーなどの命に関わるケースが増加している。二〇一九年二月、子どもの権利委員会の総括所見は、取り分け緊急措置を採るべき分野として、差別の禁止、子供の意見の尊重、体罰、家庭環境を奪われた子供、リプロダクティブヘルス及び精神保健、少年司法に関する課題を挙げているが、近年はSNSの普及によって子供たちが児童ポルノなどの犯罪の被害者・加害者になるケースが多発している。養護教諭は、様々な家庭状況の子供たちとの日常的なコミュニケーションの中で、子供の訴えやささいな変化から気付いたSOSのサインを担任・学年など学校内あるいは家庭と共有し、児童相談所などの福祉機関や医療機関と連携して支援を行っている。養護教諭は、学校保健の中核を担う専門職として子供たちの健康実態とその背景にも目を向け、学校内外で連携しながら継続的に子供と家庭に関わる教育職である。子供の実態は私立学校であっても公立と変わらないが、学校の経営状態や設置者(理事会)の考えによって教育条件や教職員の配置・労働条件に大きな差がある。養護教諭は、公立では標準定数法により小学校八百五十一人、中学校・高校八百一人以上の学校に複数配置する基準があるが、私立学校には明確な基準がない。養護教諭の配置・学校保健体制・特別支援教育体制も公立学校に比べて大きく立ち遅れている。戦後、学校教育法により養護訓導から養護教諭に位置付けられ七十年以上経た現在も、私立学校ではいまだに教育職としての養護教諭が配置されていない現状、非正規雇用や一人で中高兼務などの現状が多くある。子供と教職員の命と健康が守られるべき学校でありながら教職員の雇用は不安定な状態である。子供の命と健康を守るため、全ての私立学校の養護教諭の正規での配置と学校保健体制・特別支援教育体制の構築は喫緊の課題である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、全ての私立学校(幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・単位制通信制・高等専修学校など)に養護教諭を早急に配置すること。
二、私立学校について養護教諭の配置に公立学校と同様の基準を設けること。現行の複数配置基準は、「小学校八百五十一人、中学校・高校八百一人、特別支援学校六十一人以上」である。
三、学校教育法附則第七条(小学校、中学校及び中等教育学校には、第三十七条、第四十九条、第六十九条の規定にかかわらず、当分の間、養護教諭を置かないことができる)を削除すること。

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