請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 855 件名 軍事費の拡大ではなく、子育て施策の拡充を求めることに関する請願
要旨  多くの労働者の賃金はこの三十年もの間全く上がっていない。アベノミクスの失政により、日本経済は行き詰まり物価は高騰する一方である。その上、大軍拡のための増税案まで示されている。軍備増強のための増税には多くの国民が反対している。軍事費よりも命・暮らし優先の政治が国民の願いである。国民に一層厳しい生活をさせながら、社会保障を削って軍事のためにお金を出せというのは余りにも愚策である。このまま大軍拡路線を突き進めば、際限ない社会保障費の抑制と削減、人権侵害と社会保障理念の否定が広がる。二〇一二年の社会保障制度改革推進法、二〇一三年の社会保障制度改革国民会議報告書、二〇二〇年の全世代型社会保障検討会議最終報告書と三助論や自己責任論が振りまかれ、徹底した医療費抑制政策と負担増、給付削減が推し進められた。二〇二二年十二月の全世代型社会保障構築会議の報告書は、大軍拡路線の財源確保とあいまって、少子高齢化を乗り越える真っ当な政策も財源も示していない。社会保障を国民同士の助け合いに矮小(わいしょう)化し、この十年間の社会保障改革の名の下に行われてきた憲法第二十五条の解釈改憲とも言える事態をそのまま継続しようとするものである。医療・介護・福祉の現場が一層逼迫(ひっぱく)する中、政府は医療費抑制政策を進めている。公立・公的病院の統廃合や病床削減をした病院への補助金として、社会保障の充実のためと増税された消費税を財源として充当するのは本末転倒である。こうした社会保障の負担増と給付削減は格差と貧困に拍車を掛けている。格差と貧困の拡大の大きな要因は日本の所得再分配機能が失われているためである。税と各種給付制度の再分配はOECD加盟国の中で日本は下位に位置している。社会保障は平和と民主主義の下で成り立つものであり、戦争や軍事拡大とは決して相入れない。今こそ憲法改悪を許さず、憲法に保障された人権としての社会保障実現を目指し、社会保障が本来持つ所得再分配の役割が機能する公正な社会への転換を求める。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、軍事費の拡大ではなく子育て施策を拡充すること。

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