請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 621 件名 AV出演被害防止・救済法の改正に関する請願
要旨  令和四年に成立したAV出演被害防止・救済法の施行後、出演者との契約リスクが大幅に増し、出演契約から販売まで法律上は五か月、発売予約期間を含めれば事実上最短でも六か月の時間を要するようになった。それまでは性行為映像制作物(アダルト・ビデオ)の制作に係る期間はおおむね三か月程度であったものが急に倍の期間の確保が義務付けられたため業界に大きな混乱が生じ、業界で働く者及び出演者の生活に、性行為映像制作物の制作本数・出演機会の減少、出演者の仕事の減少、違法な事業者への出演者の流出といった影響が生じている。このように、仕事の総量が減って収入を得る機会が減少した出演者がやむを得ず法律を無視する遵法性に欠ける事業者の現場に流れたり、海外を含む売春に流れたりといった事象が疑われている。本来出演者を守るために作られた法律により逆に出演者を苦境に追い込んでいる状況にあるため、以下の三点についての法改正を行うことを求める。(一)法律の名称を変更することにより、自ら意思を持って性行為映像制作物に出演している者が、まるで被害者のように社会的に認識され、仕事への誇り、人としての尊厳が踏みにじられている状況を改善する。(二)性行為映像制作物の撮影・公表に係る期間を柔軟化し、出演契約を締結してから撮影まで一か月、撮影から公表するまで四か月空けなければならないという熟慮期間の設定については、原則としては残しつつ、全ての出演者からの申出により任意に短縮できるようにして、出演者の意図に反して不当に性行為映像制作物の制作本数が制限されている現状を改善する。(三)政府が性行為映像制作物の制作公表者の実態調査を行う規定を新たに設け、業界の正確な実態を把握することで正しい認識に基づく出演者の地位向上・人権保護に向けた政策が実行できる環境を整える。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、「AV出演被害防止・救済法」について、以下の点の改正をすること。
 1 法律の名称を「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」から「性行為映像制作物の出演契約に係る特則等に関する法律」とすること。
 2 性行為映像制作物に係る「出演契約を締結してから撮影まで一か月、撮影から公表するまで四か月空けなければならない」という熟慮期間の設定については、原則としては残しつつ、全ての出演者からの申出により任意に短縮できるものとすること。
 3 政府が性行為映像制作物の制作公表者の実態調査を行う規定を新たに設けること。

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