請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 517 件名 安全・安心の医療・介護実現のため、人員増と処遇改善を求めることに関する請願
要旨  新型コロナウイルス感染の拡大により、入院が必要にもかかわらず入院できない医療崩壊や、介護を受けたくても受けられない介護崩壊が現実となった。これは、感染対策の遅れはもちろんのこと、他の先進諸国と比べても圧倒的に少ない医師や看護師、介護職員や保健師の不足が根本的な原因である。日本医療労働組合連合会・全国大学高専教職員組合・日本自治体労働組合総連合が取り組んだ二〇二二年看護職員の労働実態調査の結果では、仕事を辞めたいといつも思う・ときどき思うの合計は八割にも上り、仕事を辞めたい理由(複数回答)では、人手不足で仕事がきついが六割、賃金が安いが四割、思うように休暇が取れないが三割、夜勤がつらいが二割、思うような看護ができず仕事の達成感がないが二割などとなった。毎年のように発生している自然災害時の対応や新たな感染症に備えるためにも、平常時から必要な人員体制の確保を国の責任で行い、対策の中心となる公立・公的病院や保健所の拡充など機能強化を強く求める。そして、国民誰もが安心して医療・介護を利用できるよう、保険料や一部負担金の負担軽減も必要である。
 ついては、安全・安心の医療・介護の実現のため、次の措置を採られたい。

一、安全・安心の医療・介護を実現するため、医師・看護師・介護職員などの配置基準を抜本的に見直し、大幅に増員すること。また、安定した人員確保のためにも、ケア労働者の大幅賃上げを支援すること。
二、医療や介護現場における「夜勤交代制労働」に関わる労働環境を抜本的に改善すること。
 1 労働時間の上限規制や勤務間インターバル確保、夜勤回数の制限など、労働環境改善のための規制を設け、実効性を確保するための財政的支援を行うこと。
 2 夜勤交代制労働者の週労働時間を短縮すること。
 3 介護施設や有床診療所などで行われている「一人夜勤体制」をなくし、複数夜勤体制とすること。
三、新たな感染症や災害対策に備えるため、公立・公的病院を拡充・強化し、保健所の増設など公衆衛生行政の体制を拡充すること。
四、患者・利用者の負担軽減を図ること。

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