請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 72 件名 高齢者の命・健康・人権を脅かす七十五歳以上医療費窓口負担二割化の中止を求めることに関する請願
要旨  二〇二一年六月、参議院本会議で七十五歳以上医療費窓口負担二割化法案が可決され、二〇二二年十月から年収が一定以上の約三百七十万人(後期高齢者医療制度加入者の約二〇%)の二割負担が強行された。国会審議の中で、(一)二割負担導入による現役世代の負担軽減効果は、月額僅か約三十円であること、(二)コロナ禍の今、精神的にも経済的にも疲弊している中での高齢者への負担増は受診控えを招くことが各種調査で明らかになっているにもかかわらず、政府は健康悪化には結び付かないとしていること、(三)国会審議を経ずに二割負担増の対象者を政令によって広げることができることなど数多くの問題点が明らかになった。コロナ禍や物価高騰によってただでさえ高齢者の受診控えが進んでいる中、必要な医療が受けられなくなることを前提にした負担増は高齢者の命・健康権・人権の侵害である。応能負担を窓口一部負担に求めるのではなく、富裕層や大企業に求めるべきである。強制加入の社会保険では、必要な給付は保険料だけでなく、公的負担と事業主負担で保障すべきである。先進国では、医療費の窓口負担は無料が当たり前である。日本でも二〇〇八年四月に七十歳から七十四歳の医療費窓口負担が二割に引き上げられた際に、指定公費負担医療制度などの予算措置を採り、二〇一四年三月まで二割化を凍結させた経験もある。二割に引き上げられた医療費窓口負担を直ちに一割に戻すべきである。七十五歳以上医療費窓口負担二割化は、高齢者の暮らしと命、健康、人権を守る上で大きな影響を及ぼす。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、高齢者の命・健康・人権を脅かす七十五歳以上医療費窓口負担二割化を中止すること。

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