請願

 

第213回国会 請願の要旨

新件番号 15 件名 介護保険制度の改善、介護従事者の処遇改善を求めることに関する請願
要旨  介護保険制度は、施行から二十三年が経過した。しかし、必要なサービスを利用できない実態が広がっており、家族介護を理由とした介護離職も高止まりである。介護事業所では、深刻な人手不足と低い介護報酬の下での経営難が続いており、コロナ禍と物価高騰はこうした事態を一層加速させている。政府が当初提案したケアプランの有料化、要介護一、二のサービスの保険給付外し(総合事業への移行)、利用料二割負担の対象拡大などの抜本改悪案は反対世論の広がりの中で先送りさせることができたが、一定以上の所得がある高齢者の保険料については引上げが決まった。利用者・事業者双方に新たな負担を押し付けるものであり、断じて認めることはできない。介護従事者の処遇改善は待ったなしの課題である。二〇二二年から新たな処遇改善が開始されているが、全産業平均給与との差を埋めるには程遠い水準である。行き届いた介護を実現するためには、社会保障費を大幅に増やし、介護保険制度の抜本改善、介護従事者の大幅な処遇改善と増員を図ることが何よりも必要である。
 ついては、制度の改悪をやめ、憲法第二十五条に基づいた介護の社会化の実現に向けて、次の事項について実現を図られたい。

一、社会保障費を大幅に増やし、必要なときに必要な介護が保障されるよう、介護保険料、利用料、居住費・食費の負担軽減、サービスの拡充など、介護保険制度の抜本的な見直しを行うこと。
二、利用料二割負担の対象者の拡大、要介護一、二の保険給付外し(総合事業への移行)など、介護保険の利用に新たな困難をもたらす見直しを実施しないこと。
三、介護報酬を大幅に引き上げること。その際はサービスの利用に支障が生じないよう、利用料負担の軽減などの対策を講じること。
四、全額公費により、全ての介護従事者の給与を全産業平均まで早急に引き上げること。介護従事者を大幅に増やし、一人夜勤の解消、人員配置基準の引上げを行うこと。

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