請願

 

第212回国会 請願の要旨

新件番号 17 件名 「田んぼダム」の活用により、近年多発している大規模水害を軽減させることに関する請願
要旨  近年は地球温暖化の影響もあり、線状降水帯などが以前よりも頻繁に発生し、大規模水害による甚大な被害が全国各地で発生している。以前は水害には無縁であり洪水ハザードマップ上でも安全とされていた地域が、ハザードマップの更新により水害が発生する地域に指定され、想定を超える大雨により実際に洪水被害に遭う事例も少なくない。山においても広葉樹が生い茂っていた昔の森林は保水力があり急激な川の増水を防ぐ役割を果たしていたが、広葉樹が伐採され杉などの針葉樹が植林された現代では保水力を失い、大雨が降れば急激に川が増水し一気にダムに流れ込むおそれがあり、ダムによる治水は限界に達している。また、堤防のかさ上げや川底の掘削は莫大(ばくだい)な予算と長い年月を必要とし、近々での問題解決は困難である。そこで近年注目されている田んぼダムの活用を積極的に推進し、洪水による被害を軽減させることが必要である。実際に田んぼダムを効果的に機能させるためには、河川の下流地域だけではなく上流部から中流部、そして下流部まで広範囲な地域での活用が求められる。田んぼダムとして活用される面積が広大であればあるほど洪水被害の抑止効果が高まるが、田んぼダムの推進には農家の理解と協力が不可欠となる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、資源向上支払の交付を受ける田の面積の二分の一以上で「田んぼダム」に取り組む場合の十アール当たり四百円(北海道は三百二十円)の加算措置を、二倍の八百円(北海道は六百四十円)へ増額すること。
二、実際に活用された場合の報奨金制度を導入すること。
三、協力農家の希望に応じ、米を全量買い取る制度を導入すること。

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