請願

 

第212回国会 請願の要旨

新件番号 1 件名 消費税インボイス制度の実施の中止を求めることに関する請願
要旨  近年の物価高騰が国民生活及び国民経済に悪影響を及ぼす中、二〇二三年十月からインボイス制度(適格請求書等保存方式)が実施されている。木蝋(もくろう)はハゼの木の実から抽出され、和ろうそくの原料などに使われる日本の伝統産業である。ハゼの木は中四国、九州などの西日本に多く分布しており、特に九州においてハゼの実の収穫業が盛んであった。現在の木蝋産業も九州の収穫者の存在によって支えられており、そのほとんどが免税事業者に該当する。インボイス制度の実施はハゼの実収穫者とメーカー間の取引における消費税負担を増やすことになり、その負担は両者に降りかかる。最悪の場合、ハゼの実収穫者の人口を減少させ、木蝋文化の衰退を招く。二〇二三年七月に線状降水帯による豪雨が九州各地で発生し、特に熊本市や久留米市では大きな被害を受けた。これらの地域はハゼの実収穫が盛んな地域である。自然災害からの復興という大きな課題を抱える中、更にインボイス制度による負担を増やすことはその地域に住む人々の営みを壊すことになる。ハゼの木は十二月に美しく紅葉するため、観光地としての側面もある。福岡県指定の天然記念物である柳坂曽根のハゼ並木を始め、熊本県玉名市の菊池川堤防のハゼ並木や熊本県水俣市の侍地区などハゼの群生地が各地に存在している。これらの場所は収穫者によって管理維持されているが、インボイス制度の実施によって収穫者人口が減少すれば、これらの景観地の衰退を招くことになる。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、インボイス制度の実施を中止すること。

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