質問主意書

第205回国会(臨時会)

質問主意書

質問第二二号

岸田文雄内閣の日露平和条約交渉に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和三年十月八日

鈴木 宗男


       参議院議長 山東 昭子 殿



   岸田文雄内閣の日露平和条約交渉に関する質問主意書

 二〇一八年十一月十四日、安倍晋三内閣総理大臣とプーチン・ロシア連邦大統領との日露首脳会談(以下「安倍―プーチン日露首脳会談」という。)が行われた。

 外務省公式ホームページには、平和条約締結問題について「北方四島における共同経済活動について、十月初めに「ビジネス・ミッション」が実施されたことを歓迎し、首脳間で作業の進捗を確認した上で、双方の法的立場を害さない形でプロジェクトを早期に実施するべく、更に作業を進めることで一致しました。元島民の方々のための人道的措置について、安倍総理から、より一層の信頼醸成に向けて、協力を更に進展させることを引き続き働きかけました。テタテ会談の結果として、「一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる。そのことをプーチン大統領と合意した。」ことが発表されました。」と掲載されている。

 また、二〇二〇年九月二十九日、菅義偉内閣総理大臣とプーチン・ロシア大統領との日露首脳電話会談(以下「菅―プーチン日露首脳電話会談」という。)が行われた。

 外務省公式ホームページには「菅総理から、日露関係を重視している、平和条約締結問題を含め、日露関係全体を発展させていきたい旨述べるとともに、北方領土問題を次の世代に先送りすることなく終止符を打たなければならず、プーチン大統領と共にしっかりと取り組んでいきたい旨述べました。

 これに対しプーチン大統領から、菅総理の就任をお祝いする旨述べるとともに、安倍前総理との関係を高く評価しており、菅総理との間でも二国間及び国際的な課題に関して建設的に連携する用意がある、平和条約締結問題も含め、二国間のあらゆる問題に関する対話を継続していく意向である旨述べました。

 その上で、両首脳は、平和条約締結問題を含む対話の継続と共に、政治、経済、文化等幅広い分野で日露関係全体を発展させていくことで一致しました。」と掲載されている。

 二〇一八年十一月十四日の安倍―プーチン日露首脳会談、二〇二〇年九月二十九日の菅―プーチン日露首脳電話会談を踏まえ、日露平和条約交渉に関する我が国の方針に関し、質問する。

一 二〇一八年十一月十四日に行われたシンガポールでの安倍―プーチン日露首脳会談で、「一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる。そのことをプーチン大統領と合意した」という、いわゆるシンガポール合意、また、二〇二〇年九月二十九日に行われた菅―プーチン日露首脳電話会談の内容に沿って日露平和条約交渉を進める日本政府の方針に変わりはないか、岸田文雄内閣の見解は如何。

二 菅―プーチン日露首脳電話会談で、安倍―プーチン日露首脳会談で合意された「一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる」ことを基に、継続して協議していくことを確認したと認識している。

 これからのロシアとの日露平和条約交渉において、安倍―プーチン日露首脳会談で合意された「一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させる」ことを基に、岸田文雄内閣は日露平和条約交渉を進めるべく考えているか、見解は如何。

  右質問する。