質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第七四号

厚木基地周辺の住宅防音工事に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十月二十七日

水戸 将史   


       参議院議長 江田 五月 殿



   厚木基地周辺の住宅防音工事に関する質問主意書

 国は、生活環境整備法に基づき基地周辺の騒音対策の一環として昭和四十九年以降、住宅防音工事を進めてきた。この間、国は順次指定区域を追加拡大してきたが、指定告示以降に区域内に住居を移したり、建て替えたりした人は防音工事の対象とならないという、いわゆる「ドーナツ現象」も生じるなど、制度の不備も指摘されている。厚木基地周辺の住民は受認限度を超える騒音に日夜悩まされており、その対応は喫緊の課題でもある。そこで以下、質問する。

一 平成十八年一月十七日前の指定区域内の防音工事希望者の数、希望者に対する工事の進捗具合、希望者に対する未実施分工事の完了目途を明らかにされたい。また、平成十八年一月十七日の告示ラインによる防音工事希望者、並びにその予算規模、工事完成期間はどのように計画設定しているのか、見解を明らかにされたい。

二 平成十八年度に国が空調設備の単価を切り下げたため、採算に合わないという理由から工事を辞退する工事請負業者が続出し防音工事の進捗が大きく滞ったと指摘されている。平成十八年度、並びに平成十九年度の工事進捗率、予算消化率を明らかにされたい。また、業者にとって採算に合わないような工事単価の妥当性をどのように考えるか。そもそも防音工事は地域振興という視点もあるが、この点についても併せて見解を明らかにされたい。

三 今なお、多くの世帯が防音工事の順番待ちの状況にある。前項に見られるような工事単価の切り下げや、入札方式による手続きの遅延なども工事を遅らせる要因になっているとの指摘もあるが、こうした現状を国はどのように認識しているのか。防音工事を迅速に進めるため、今後、発注方式の見直しなど手続き面で具体的に改善を図る考えがあるか、併せて見解を明らかにされたい。

四 平成三年九月十日以降に昭和六十一年九月十日告示ライン区域内に移住、建設された「告示後住宅」は、現状では防音工事の対象とはならず、同じ区域に居住するのに不公平だとの声が強い。この「告示後住宅」について国は今後どのように救済する考えなのか、見解を明らかにされたい。

五 前項の問題を解決する一つの方法として、国がこれまで行ってきた追加告示方式ではなく、新たに区域を指定し直す再告示方式に改めるべきだとの要望が、地元住民から出されているが、これについて国はどう考えるか、見解を明らかにされたい。

六 平成二十六年を目途とする米空母艦載機の岩国移駐に伴い、厚木基地周辺の騒音が縮小すると予測されている。その場合、縮小した地域での防音工事未実施の住民に対する対策はどうなるのか。平成十八年の告示で、座間、海老名、綾瀬においては区域が大幅に指定解除されているが、当初の予定通り、対象となる住居については防音工事を行うべきと考えるが、見解を明らかにされたい。

  右質問する。