質問主意書

第159回国会(常会)

質問主意書


質問第八号

連帯保証人制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十六年三月十日

櫻井 充   


       参議院議長 倉田 寛之 殿



   連帯保証人制度に関する質問主意書

 中小企業経営者の自殺が後を絶たない。また、自殺予備軍とも言える、再起不能になった経営者が相当数いることは想像に難くない。中小企業経営者が自殺に追い込まれた原因が制度面にもあるならば、いち早くその制度を見直すことが国民全体の利益であり、国家としての良心である。
 自殺の原因の一端として、連帯保証人制度が挙げられることは間違いない。現行の連帯保証人は、保証人と異なり、催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益を有しない。「貸し手」にとっては極めて有利な制度であるが、「借り手」にとってはこれほど理不尽な制度はない。このような理不尽な制度は、早急に見直すべきである。
 そこで、連帯保証人制度の問題について以下質問する。

一 主要国で、日本と同様の連帯保証人制度を採用している国はあるか。

二 中小企業経営者に対しては、連帯保証人制度を適用しないこととすべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 中小企業が有限会社であっても、その経営者が当該企業の連帯保証人になれば、結果として無限責任を有することになる。連帯保証人の保証の範囲を限定すべきではないか。

四 連帯保証人制度があるために、事業を清算できない場合が多いが、このことが経済の活性化を阻害しているのではないか。政府の見解を示されたい。

五 日本では、連帯保証の問題に加え、融資のときに不動産価値を査定しておきながら、担保不動産の価値が下落していくと新たな財産の提供を求められるフルリコースローン(遡求型融資)がほとんどであり、経営者の負担を増している。資産価値が下落した責任は、担保査定をした金融機関が負うべきではないのか。
 また、米国では、担保以外の財産に遡求しないノンリコースローン(非遡求型融資)が一般的であり、企業が再挑戦しやすい仕組みになっているが、日本もこのような制度を普及すべきではないか。政府の見解を示されたい。

  右質問する。