第112回国会(常会)
質問第二号
レバレッジド・リースによる米国製航空機の輸入に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和六十三年一月二十五日 木本 平八郎
レバレッジド・リースによる米国製航空機の輸入に関する質問主意書 昨年十二月十四日付けの『税務通信』によると、近々国税庁は、レバレッジド・リース取引を全て金融取引とみなすことにより、実質上レバレッジド・リースを不可能にする方向で検討中とのことだが、この件につき以下質問する。 一 現在日本においてレバレッジド・リースの対象になつている主たる品目は、米国並びに欧州製大型旅客機(ジャンボ七四七ないしはA三〇〇)など航空機が中心で、年間数十機、数千億円と了解するが、事実関係はどうか。 二 国税庁は、土地取引などで巨利を得た者がレバレッジド・リースのレッサーとなることにより節税を図つているケースがあるので、税の公平の原則上も適切なる課税方法に変える必要有りとの観点の由だが、事実関係はどうか。 三 右の二が事実とすれば、国税庁の考え方も一理あらんとは思うが、他方、レバレッジド・リースが民間資金を活用した航空機輸入の促進に多大の貢献をしてきたこと、米国においても一定のルールのもとに税法上レバレッジド・リースが認められていることにも十分留意すべきである。したがつて、土地売却益の節税に乱用されないよう配慮しつつ、レバレッジド・リースの健全な発展を図るという方向で、税法上の取扱いを明確化すべきものであつて「実質的禁止」は適切な措置ではないと考えるが、政府の見解はどうか。 四 国税庁の調査が開始されて以降、リースに対する取扱いを変更した場合には、米国製航空機の輸入促進策の縮減と受け取られるおそれがある。航空機製造業は米国の主力輸出産業であることもあつて、米国の対日感情を刺激することになるが、政府としてどう対応するのか。 五 世界的な余剰資金の偏在が世界の金融界、特に為替及び株式市場に好ましからざる不安定要因となつていることが、しばしば指摘されている。特に我が国においては日米貿易摩擦解消、ひいては世界経済の安定成長のために内需拡大が当面の政策課題となつている。元来リース制度は、税制上のメリットを利用して投資促進を図ることで発達してきたもので、欧米では財政・金融政策につぐ第三の景気調整方法として採り上げられているところである。
右質問する。 |