国会のひみつをさぐろう!
国会ってなにするところ?
国会は国民の代表の集まり
日本では、国民が自分たちの代表者を選び、選ばれた人たちの話し合いで、国民みんなの生活にかかわることや外国との関係など、国の政治の進め方を決めていきます。
国会は、国民に選ばれた代表者(国会議員)が話し合って、国民のためにさまざまなことを決めていく大切なところです。
国会はこんなことをやっている
国会のもっとも大切なしごとは法律をつくることです。法律をつくれるのは国会だけです。法律のもとになる案(法律案)が国会に提出され、それについて国会の中で話し合われます。そして参議院と衆議院の両方で、法律にしていいと決まると法律が成立します。
それから、国の予算を議決することも国会の大切なしごとです。
内閣から提出された予算は、国会の議決によって正式の予算となります。
このほかにも、内閣総理大臣の指名、条約の承認など、国会には大切な仕事があります。
よりくわしく知りたい人やもっと調べたい人は国会のしくみと法律ができるまで!を見てね。
建物が左右同じ形なのはどうしてかな?

中央の塔を境にして、正面に向かって右側が参議院、左側が衆議院です。右と左はまったく同じ形になっています。外見だけでなく中のつくりも、左右ほぼ同じになっています。このようなつくりになっているのには大きなひみつがあります。
国会は国民の代表が集まって国の大切な取り決めを行うところです。わが国の国会は衆議院と参議院の2つの議院から成り立っています。このような国会のしくみを二院制とよんでいます。
なぜ二院制になっているのでしょうか
国会では2つの議院が、それぞれ独立して話し合いをすることで、国の大切な決定をより慎重(しんちょう)に行うことができるようにしているのです。
いずれも国民の代表者で構成される衆議院と参議院がそれぞれの特徴(とくちょう)をいかしながらその役割(やくわり)をよりよく果たすという、わが国の国会のしくみが、国会議事堂の形に表されていると言えます。
Q.世界中の国々の国会がすべて二院制なのかな?
A.そうではありません。世界の187か国を対象にした調査では、2025年4月現在、二院制の国は81か国です。ですから、一院制の国のほうが多いわけです。ただ、民主国家で人口2000万人以上の国では、二院制をとっている例が多いようです。二院制の国には、アメリカ・イギリス・イタリア・カナダ・ドイツ・フランス・ロシアなどがあります。
本会議場にはどんなひみつがあるのかな?
本会議場は衆参ともに議事堂の2階にあって、3階までふきぬけになっています。面積はともに743平方メートルです。
真ん中のいすはどんなときに使うのかな?
お席
正面中央のいすは、天皇陛下が開会式のときにおすわりになるお席です。このお席は参議院の本会議場だけにあって、衆議院の本会議場にはありません。
どんな役目をもった人がいるのかな?
議長席・事務総長席
議長席は一段高くなっていて、議場全体がよく見渡せるようになっています。
そのとなりには、議長を手助けする事務総長の席があります。
ギャベル
議長の机の右手に置いてある木槌のことで、本会議を始めるときなど、議長がトントンとたたきます。
大臣席
議長席の両側に2列に並んでいる席の前列が大臣がすわる席で、総理大臣の席は向かって左側の列の最も中央寄りです。後列は事務局職員の席です。
議長席前では何をするのかな?
演壇
演壇は議長席の前にあって、議員や国務大臣はここで発言します。
演壇の机の中央には原稿をのせる台、右側には水差しとコップが置かれています。
ここの席は何かな?
速記者席
会議の内容はすべて記録されています。
以前は、速記者と呼ばれる専門の職員が座り、記録を取っていました。
現在は、映像・音声を視聴しながらタイピング入力するシステムにより、執務室で会議録を作っています。
議員席にはなにがあるのかな?
氏名標と押しボタン式投票機
議員は自分の席に着くと、机の氏名標(黒い名札)を立てます。
氏名標を立てると、光センサーが働いて出席したことが記録されます。机には押しボタン式投票機が組み込まれています。採決の時に議員がボタンを押すと、投票総数、賛成者数、反対者数が議場内の3か所の表示盤に示されます。
観客席みたいなところには、だれが座るのかな?
傍聴席
3階には、一般の人たちが本会議の様子を見たり、聞いたりするための席があります。また、外国からのお客さまや外交官のための席などもあります。
記者席
みなさんはテレビの中継などで会議の様子を見たことがありますか。
本会議場には、新聞や放送関係の人たち専用の席が用意されています。
これは、国会の中のことを広く国民に伝えることを目的にしたものです。
衆参の議員が一か所に集まることってあるのかな?
開会式でおことばを述べられる天皇陛下
今日は国会の開会式です。天皇陛下が参議院本会議場でおことばを述べられます。
開会式のときは、衆議院と参議院の両方の議員が本会議場に集まります。
中央玄関
中央玄関は、天皇陛下をおむかえするとき、選挙の後に議員が初めて登院するとき、外国の大統領などが国会においでになったときに使われます。
御休所、中央階段、御休所前広間
中央広間から中央階段を上がると、天皇陛下の御休所があります。
国会の開会式の当日、陛下はこのお部屋に入られます。
衆参両院の議長と副議長は、ここで陛下にお目にかかります。
御休所は、当時のすぐれた材料と技術を生かして作られています。
Q.開会式の時以外に衆参の議員が一か所にあつまることはないのかな?
A.国がお招きした外国のお客さまが国会演説をするときにも、衆参の議員が本会議場にあつまりおむかえします。左の写真はカザフスタン共和国大統領がいらしたときのものです。(参議院本会議場)
あなたが議長席にすわったら?
議長は、参議院議員248人のトップとして、参議院を代表します。
- 1.本会議の運営
- 議長は、本会議を招集し、議事を進行します。
- 2.宮中 [皇室]関係の行事
- 内閣総理大臣の親任式に立ち会います。また、宮中ばんさん会などの行事に参議院を代表して出席します。
- 3.外国議員との交流
- 多くの国から議員団を日本に招待します。また、招きに応じて諸外国を訪問し、友好を深めます。
- 4.式典への出席
- 広島・長崎の平和祈念式典、交通安全国民運動中央大会、全国育樹祭など、多くの式典に参議院を代表して出席します。
- 5.政党間の意見調整
- 各委員会や調査会の長、各会派[政党]の代表を集めて、院の運営などについて相談します。意見が対立したときには、議長が考えを示して解決を図る場合もあります。
あなたが議員だったら?
議員はどんなことをしているのかな?
国会議員は選挙で選ばれます。そして、国民全体の代表として、おもにつぎのような仕事をしています。
- 1.法律案を国会に提出する。
- 2.会議で発言したり、文書で質問したりして、内閣の政治の進めかたを監督する。
- 3.法律の制定、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名など、国会の決定に参加する。
- 4.国民の意見を聞いて政治に反映させる。
- 5.外国の政治経済の情勢を調べて政治に反映させる。
たくさん並んだ委員会室ではどんな話し合いをするのかな?
国会議事堂の廊下にしかれた赤いじゅうたん。はばは1.8メートルで、ぜんぶの長さをたすとおよそ4キロメートルにもなります。この赤いじゅうたんにそって歩くと、委員会室という部屋がたくさん並んでいることに気がつくはずです。
国会の中で開かれる委員会というのは、どのようなものなのでしょう。
みなさんの学校にもいろいろな委員会があり、高学年の人が中心になって、学校生活をよりよいものにするための取り組みを分担して行っていますよね。
実は、国会もみなさんの学校と同じように、国会議員がいくつかの委員会に分かれて、それぞれの仕事を分担して行っているのです。
衆議院、参議院それぞれに17の常任委員会が置かれています。たとえば、みなさんに関係の深い教育については、参議院では文教科学委員会という委員会で話し合われます。これらの委員会のほかに特別に委員会が置かれることもあります。また、参議院には調査会という参議院だけの機関があります。
議院運営委員会
本会議の日程を決めたり、議院全体のことを話し合う委員会です。
予算委員会
国の予算がどのように使われるかを話し合う委員会です。
決算委員会
国の予算の使われ方が正しかったかどうか話し合う委員会です。
採決風景
参議院の委員会の採決の多くは挙手で行われます。
戦前の帝国議会では、本会議で大部分の内容を話し合う形をとっていましたが、日本国憲法が制定され現在の国会になってからは、委員会中心の形をとるようになりました。しかし、いくら委員会を中心に話し合いが進められるといっても、国の大切な事がらについて最終的な決定を行うのは本会議であるということに変わりはありません。
Q.参議院の調査会というのはどういうものなの?
A.調査会は参議院にだけある特別な組織です。任期が長く、解散がないという参議院の特徴を生かして、国の重要な課題についてじっくりと時間をかけて話し合い、提案や報告を行います。
伊藤博文や板垣退助はこの議事堂で演説したのかな?
国会議事堂の中央塔の下に中央広間があります。ここには伊藤博文、板垣退助、大隈重信の3人の銅像が立っています。
みなさんが、社会科で学習したように、伊藤博文は、大日本帝国憲法の制定や帝国議会の開設等に力をつくした日本の初代の内閣総理大臣です。板垣退助は、国民による議会の開設をもとめ、自由民権運動で活躍した人です。大隈重信は、日本で最初の政党内閣の総理大臣をつとめた人です。
この3人は、わが国の議会制度の基礎をつくった代表的な政治家ですが、この国会議事堂の演壇に立ち、演説をしたことがあるのでしょうか。
- ●1874年(明治7年)
- 板垣退助らが民選議院設立の建白書を出す
- ●このころ自由民権運動がさかんになる
- ●1881年(明治14年)
- 政府が国会開設を約束する
- ●1889年(明治22年)
- 大日本帝国憲法が発布される
- ●1890年(明治23年)
- 第1回衆議院議員選挙が行われる
- 第1回帝国議会が開かれる
-
第1次仮議事堂
(1890年~1891年・焼失) -
第2次仮議事堂
(1891年~1925年・焼失) -
3次仮議事堂
(1925年~1936年)

明治23年(1890年)に第1回帝国議会が開かれましたが、議会は仮議事堂で開かれる時代が長く続きました。現在の国会議事堂がつくられ始めたのは、大正9年(1920年)の1月、完成したのは昭和11年(1936年)の11月です。ですから、伊藤博文も板垣退助も大隈重信も、この議事堂の演壇に立つことはありませんでした。
わが国の議会制度の基礎づくりに力をつくした3人は、今も議事堂の真ん中に立って、国会の様子をしっかりと見守ってくれています。3人の銅像は、みなさんに何を語りかけてきましたか。
Q.銅像を立てる場所が4か所あるみたいだけれど…。
A.よく見つけましたね。でも、もう1人の銅像をだれにするはずだったのかは、まったくわかっていません。政治というものはいつも理想に向かって進むべきものだということで、わざとあけてあるのだという説もあります。
中ですれちがう人たちはどんな仕事をしているのかな?
国会議事堂の中で働く人というと、一番に思い浮かべるのが国会議員だと思います。でも、国会の中で働いているのは議員だけではありません。
たとえば、どちらの議院にも、会議を開くための準備や事務関係の仕事を行っている議院事務局というのがあります。参議院の場合、議員数が248名なのに対して、事務局や常任委員会調査室、法制局で働いている人は約1300名です。これらの人々がそれぞれの仕事を責任をもって行っているから、議員の人たちが思う存分に仕事に打ち込むことができるのです。
国会の事務の仕事には、本当にさまざまなものがあります。
みなさんが議事堂の中ですれちがった人たちは、それぞれどんな仕事をしている人なのでしょうか。服装や持ち物などをヒントに想像してみましょう。
参観者を案内する衛視
衛視の人たちは、議事堂の中や周囲の警備をしたり、参観者や傍聴人の案内などをしたりします。
議事堂内をそうじする人
国民の代表が集まる国会議事堂はまさに「日本の顔」。ゆかやかべもいつもきれいな状態が保てるように、毎日そうじをしています。
面会者・請願の受け付け
左は国会議員に意見や要望を伝えに来た人たちの受け付けや、請願の受け付けの様子です。
本会議場内の点検
本会議の開会前に、議場の点検など準備をしているところです。
Q.国立国会図書館はどんなところ?
A.国会議員の人たちが必要な事がらについて調査したり研究したりするために、議事堂のすぐ近くに設けられた国会付属の図書館です。この図書館には、国内で出版されるほとんどの出版物がそろっていて、一般の人たち(18歳以上)も利用することができます。