質問主意書

第222回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二二二第五号
  令和八年十月十六日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員石垣のりこ君提出立川広域防災基地と副首都における首都中枢機能のバックアップに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出立川広域防災基地と副首都における首都中枢機能のバックアップに関する質問に対する答弁書

一について

 立川広域防災基地は、昭和五十四年十一月十九日の国有財産中央審議会(当時)の答申において、「本跡地の都心との距離、地盤の安定性、気象条件その他社会的、自然的条件を考慮して」設けることとされ、また、同基地には「国の災害対策実施本部、警察及び消防等の防災関係機関の施設」等を「集中的に配して、防災対策の効率化を図る」こととされ、同答申を受けて、「立川広域防災基地(仮称)建設計画の大綱」(昭和五十九年八月二十三日立川広域防災基地(仮称)整備推進連絡会議申合せ)において、同基地に「災害応急対策活動の総合調整等を行う災害対策本部の予備施設」(以下「予備施設」という。)を設けることとされたものである。

 その上で、お尋ねについては、御指摘の「首都中枢機能のバックアップ拠点」及び「都心から近すぎても同時被災の可能性が高く、遠すぎても人員の移動、情報共有、交通、通信等の面で支障が生じ得ることを踏まえ、一定の距離を置くことが必要であるとの考え方」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「首都中枢機能のバックアップ拠点」を予備施設と解すれば、予備施設は、同答申に掲げられた条件を考慮して整備された同基地に配置されたものであり、「本跡地の都心との距離」も当該条件の一つである。また、お尋ねの「立川の地理的位置、都心からの距離、交通アクセス、通信等のインフラ、都心との同時被災の可能性等をどのように評価したのか」及び「立川を選定する際に考慮した具体的な距離等の立地条件」については、内閣府に現存する資料からは確認することができず、お答えすることは困難である。

二について

 お尋ねについては、御指摘の「首都中枢機能のバックアップ拠点」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「政府業務継続計画(首都直下地震対策)」(平成二十六年三月二十八日閣議決定)における緊急災害対策本部の代替拠点と解すれば、令和五年三月十三日の参議院予算委員会において、岸田内閣総理大臣(当時)が「大規模災害等の際にも首都中枢機能の継続性の確保を図るため、東京からの距離、これも勘案しつつバックアップ体制の整備を推進すること、これは極めて重要であると認識をしています」と答弁しているところ、政府としては、代替拠点の検討において、御指摘のような「一定の距離を重要な条件」としているものではなく、また、御指摘の「利点」について整理したものはなく、さらに、「具体的な基準」も定めていない。

三について

 前段のお尋ねについては、国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律(令和八年法律第七十八号。以下「法」という。)第二条第四項において、副首都は、「大規模災害が発生し、東京圏において首都中枢機能を維持することが困難となった場合に、必要に応じて、一定期間、首都中枢機能の全部又は大部分を代替する機能」(以下「代替機能」という。)を担うものとされ、法第十八条第一項において、その指定の要件の一つとして、法第二条第三項の「東京圏との同時被災の可能性が低いものとして政令で定める要件」に該当する地域を含むこととされている。また、当該政令で定める要件については、現在、パブリックコメントにおいて、御指摘の「都心から相当程度離れた地域」ではなく、「首都直下地震緊急対策区域と富士山の火山災害警戒地域のいずれにも該当しない地域」とする案を提示しているところであるが、いずれにせよ、当該政令で定める要件に該当するか否かによって「評価」することとなる。

 後段のお尋ねについては、御指摘の「立川広域防災基地を選定した際に重視した立地条件」及び「副首都の立地に求める条件」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「副首都の立地に求める条件」を副首都の指定の要件と解すれば、令和八年七月二十四日の参議院沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会において、法の提案者から、「官邸、官邸が使えない場合は内閣府、内閣府が使えない場合は防衛省市ケ谷、そしてそれでも駄目な場合は立川、そういった防災拠点も定められていることはもちろん承知をしております。我々のこの副首都法案の目的というのは、その東京圏内における災害拠点すらも使えない、そういった災害が、大災害が起きた場合に、東京圏外でバックアップ拠点を設けておこうということ」との説明がなされており、立川広域防災基地と副首都は想定する事態が異なり、両者の「立地」に関する「条件」を単純に比較することは適当でないと考えている。

四について

 三についてで述べたとおり、副首都は、代替機能を担うものとされているところ、お尋ねの「立川広域防災基地も同時に被災するなど、東京圏で首都中枢機能が維持できない場合」は、法第二条第四項の「東京圏において首都中枢機能を維持することが困難となった場合」に当たることから、「首都中枢機能」の「全部又は大部分を代替する」機能を担うこととなる。

五から八までについて

 三についてで述べたとおり、立川広域防災基地と副首都は想定する事態が異なるものであり、御指摘の「施設等」の「機能」については、両者を単純に比較することは適当でないと考えているが、いずれにせよ、法の施行日から一年以内に定める法第九条第一項に規定する基本方針(以下「基本方針」という。)において「副首都が担うべき機能に関する事項」を定めるものとされ、基本方針に即して副首都ごとに法第二十条第一項に規定する副首都整備方針(以下「副首都整備方針」という。)を定めることとされていることから、お尋ねの「副首都に整備するバックアップ機能」、「副首都を整備することによって新たに確保しようとしている機能」、「災害時に首都中枢機能を代替するための専用又は優先的に使用する施設等を平時から整備すること」並びに「その整備及び維持に必要となる費用」並びに「平時から国の機関、職員、情報システム、業務等の機能を副首都に配置又は分散しておく」ことの要否及びその内容並びにそれらに係る「手続」及び「体制」の確保の在り方については、基本方針及び副首都整備方針の策定の過程において検討してまいりたい。