質問主意書

第221回国会(特別会)

答弁書

内閣参質二二一第一一二号
  令和八年八月四日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員小西洋之君提出皇室典範の改正による皇位継承及び養子制度の憲法問題等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出皇室典範の改正による皇位継承及び養子制度の憲法問題等に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの「象徴天皇制の根幹に関わる事項」の意味するところが必ずしも明らかではないが、憲法第一条は、天皇の地位が国民の総意に基づくものと規定しており、皇位継承の在り方については、国家の基本に関わる事柄であると考えている。

三から六までについて

 令和八年七月十日の衆議院議院運営委員会において、木原内閣官房長官が「この法案は、立法府の総意である衆参正副議長による議論の取りまとめに沿って作成したものでございます」と、また、同月十五日の参議院皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会において、同長官が「衆参正副議長によるとりまとめでは、・・・養子については皇位継承資格を持たないこととするとされております。一方で、その養子のお子様についての記述はありませんから、これは、現行の皇室典範の規定が適用されるということになります。養子の子は生まれながらの皇族でありますから、男子の場合は現行の皇室典範、これ第一条と第二条が適用され、皇位継承資格を有します。その上で、現時点における所要の規定整備としては、養子の子の皇位継承順序については、皇室典範第三十八条第六項としまして、実方の系統によると解釈規定を置かせていただきました。これによって、養子縁組による親族関係ではなく、いわゆる旧十一宮家の皇族男子であった方々との血のつながりによる順位が決定されることとなります。なお、これは、例えば複数の方がいらっしゃる場合など、順序に紛れがあってはいけませんので、そういったことを生じないようにするという趣旨での解釈規定でございますので、何か新しく規定をしたというものではございません」と答弁しているとおりである。

七について

 お尋ねの「法律によって特定の門地に属する国民のみに特定の地位や権能を与える」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、憲法第十四条第一項の門地による差別の禁止とその例外については、令和五年十一月十五日の衆議院内閣委員会において、木村内閣法制局第一部長(当時)が「御指摘の憲法第十四条において法の下の平等について定めつつ、天皇の世襲制を第二条で定めております。また、第五条には摂政の制度がございますし、第八条等において皇室の存在を予定しております。したがって、憲法は、天皇、皇族につきまして、一般国民と異なる特殊な地位を認めていると解されます。かかる地位は、憲法第十四条に規定する門地による差別の例外であると考えられます」及び「憲法は、第十四条の例外として、皇族という特殊な地位を認めております。その範囲は、法律の定めるところにより委ねられているというふうに考えております」と答弁したとおりである。

八について

 憲法第一条、第二条、第四条第二項、第五条及び第八条の規定を踏まえ、憲法に具体的な定めが置かれていない皇族の範囲については、法律に委ねられている事項であると解しているものである。

九について

 令和八年七月十五日の参議院皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会において、岩尾内閣法制局長官が「皇統に属する方を、このような皇室の制度を担っていただくために新たに皇族となることができるとすることは、直ちに憲法が禁止しているものとは解されないところでありまして、皇統に属する方のうち、いずれの方を養子の対象者として皇族となることができるとするかにつきましては、憲法第一章の規定やこれまで養子を禁じてきた趣旨などを踏まえまして、適切に定めることが法律である皇室典範に委任されている事項であると考えるものであります。その上で、今般の養子の対象者は、日本国憲法及び現行皇室典範の施行後も皇族の身分を有していた皇族男子の子孫である男系男子であることから、門地による差別を禁止した憲法第十四条の規定に反するものではないと考えているところでございます」と答弁しているとおりである。

十について

 令和八年七月十五日の参議院皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会において、木原内閣官房長官が「改正法の附則第六条第一項ですが、改正後の各法律の規定全般について必要があると認められれば随時見直しが行われるという趣旨の規定であると認識しております」と答弁しているとおりである。