質問主意書

第221回国会(特別会)

答弁書

内閣参質二二一第一一一号
  令和八年八月四日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員小西洋之君提出日本国憲法における象徴天皇制の在り方等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出日本国憲法における象徴天皇制の在り方等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「「日本国の象徴」及び「日本国民統合の象徴」」の「趣旨」については、昭和六十年三月十一日の参議院予算委員会において、茂串内閣法制局長官(当時)が「憲法第一条では「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であるというふうに定められておることは御承知のとおりだと思いますが、ここで言うこの規定の趣旨はどういうところにあるかと申しますと、天皇の御存在を通じてそこに日本国の姿を見ることができる、また日本国民統合の姿を見ることができるという日本国民全体の信念をあらわしたものであると考えております。これはまた日本国の象徴としての地位にある天皇が、・・・その地位にふさわしい国民の尊敬を受けられるべき方であるという国民的確信をあらわしている、我々はこのように一条の趣旨を考えている次第でございます」と答弁したとおりである。

 お尋ねの「「日本国民の総意に基く」の趣旨」については、昭和五十四年四月十九日の衆議院内閣委員会において、真田内閣法制局長官(当時)が「天皇の地位は主権の存する国民の総意に基づくと書いてございます場合のその総意というのは、一億何千万の国民の一人一人の、具体的な国民一人一人の意思というような意味ではなくて、いわゆる総意、いわゆる総体としての国民の意思ということでございます」と答弁したとおり、いわゆる総体としての国民の意思が、象徴である天皇の地位の根拠となることを意味するものと解される。

二について

 前段でお尋ねの「象徴天皇制の在り方は、憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の基本原理の趣旨と整合することが求められるべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、憲法の各規定については、調和が保たれた形で理解されるべきものであると考えている。

 後段でお尋ねの「体現すべき価値」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「象徴天皇制」の意義については、平成二十六年二月二十六日の衆議院予算委員会第一分科会において、菅内閣官房長官(当時)が「憲法第一条が、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である、このように定めておるのは、天皇の存在を通じて日本国と日本国民統合の姿を見ることができるという日本国民の総意というものをあらわしている、このように考えています」と答弁したとおりである。

三について

 お尋ねの令和八年六月十一日の記者会見における天皇陛下の御発言については、天皇陛下が自らのお考えを述べられたものと受け止めており、政府としての見解を述べることは差し控えたい。

四について

 お尋ねの「歴史的事実」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「日本書紀」を始めとする史料に基づけば、紀元前六百六十年二月十一日に当たる日に即位した神武天皇より、百二十六代にわたって、皇位は例外なく男系で継承されてきたものと認識している。

五について

 お尋ねの「皇紀」については、「神武天皇御即位ヲ以テ紀元ト被定候」とする明治五年太政官布告第三百四十二号があることは承知している。また、お尋ねの「歴史的事実」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「日本書紀」に基づけば、初代の天皇は神武天皇であると認識している。

六について

 お尋ねの「歴史的事実」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「続日本紀」は桓武天皇の御生母である高野新笠の祖先について「出自百済武寧王之子純陀太子」と記述していると認識している。