第221回国会(特別会)
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内閣参質二二一第九九号 令和八年七月三十一日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員大島九州男君提出独立行政法人地域医療機能推進機構のガバナンスに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員大島九州男君提出独立行政法人地域医療機能推進機構のガバナンスに関する質問に対する答弁書 一について 独立行政法人の契約については、「独立行政法人整理合理化計画」(平成十九年十二月二十四日閣議決定)において、「原則として一般競争入札等(競争入札及び企画競争・公募をいい、競争性のない随意契約は含まない。・・・)によること」とし、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」(平成二十五年十二月二十四日閣議決定)において、「調達の合理化」として、「各法人は、主務大臣や契約監視委員会によるチェックの下、一般競争入札等を原則としつつも、事務・事業の特性を踏まえ、随意契約によることができる事由を会計規程等において明確化し、公正性・透明性を確保しつつ合理的な調達を実施すること」としている。 その上で、独立行政法人地域医療機能推進機構(以下「JCHO」という。)が御指摘の「売却又は購入」の際に従わなければならない「法令」の規定として、「入札手続により複数の事業者間の競争を通じて価格が決定されなければならない」とするものはないが、JCHOにおいては、同方針を踏まえ、「独立行政法人地域医療機能推進機構会計規程」を策定し、同規程第五十二条第一項において、「売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、第三項及び第四項に規定する場合を除き、公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない」と規定されているものと承知している。なお、同条第三項においては、「契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で第一項の競争に付する必要がない場合及び同項の競争に付することが不利と認められる場合においては、理事長が別に定めるところにより、指名競争に付するものとする」と、同条第四項においては、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、理事長が別に定めるところにより、随意契約によるものとする」と規定されている。 二の前段について 御指摘の「逸失利益」については、JCHOからの報告によれば、「不動産業者」から、「JCHO船橋中央病院の移転用地」をマンションとして開発した場合にマンション各戸を売却した際に得られる利益であるとの説明を受け、当該「逸失利益」を含めた当該「移転用地」の購入代金を支払うこととしたとのことであり、「根拠が不明瞭」とは考えていない。その上で、厚生労働省において、当該報告を踏まえ、当該「逸失利益」を含めた当該「移転用地」の購入について、その価格が「不当に高額」ではないと判断したものである。 二の後段について お尋ねについては、JCHOからの報告によれば、二の前段についてで述べたとおり、「移転用地」の「逸失利益」についての説明を受けたほか、患者の利便性を高めることができること等を考慮して選定した土地であったとのことであり、こうした事情等を踏まえれば、当該「逸失利益」を含めた当該「移転用地」の購入について、「本来支払う必要のない支出であった」とは考えていない。 三の前段について お尋ねについては、御指摘の「移転用地」の購入について検討していた当時においては、JCHOが策定した「独立行政法人地域医療機能推進機構役員会及び委員会規程」の第二条において、「役員会は、理事長が決定すべき事項のうち、重要な事項を審議する」と規定されていたところ、当該「移転用地」の購入については、JCHO内の病院の建て替えに関する事項であり、かつ、その購入は高額な取引であることから、当該重要な事項として審議すべきものであったと考えられるが、JCHOからの報告によれば、当該重要な事項に該当する案件が明確化されておらず、従前から、理事長、関係役員等を構成員とし、JCHO内の病院の大型の建て替え、整備等の投資の検討を行う会議において審議が行われた案件は全て役員会への報告事項とする運用であったため、当該「移転用地」の購入を含めたJCHO船橋中央病院の建て替え、整備等についても、当該会議において審議した上で、役員会へは報告にとどまっていたとのことである。 三の後段について お尋ねについては、「貴法人の土地取引について(要請)」(令和七年四月十四日付け医政発〇四一四第十四号厚生労働省医政局長通知)により、厚生労働省からJCHOに対し、「契約の透明性を確保するための関係規程の見直し、望ましいガバナンスのあり方やその実現に向けた取組等について検討を行うこと」等について要請し、令和七年六月及び十月に、JCHOから同省に対し、当該要請に対する取組状況の報告がなされ、同省において、関係規程の改正等が行われていることについて確認しているところであり、その後も、御指摘の「ガバナンス」の状況も含め、JCHOの運営状況については、日常的な情報交換等を通じ把握に努めているところである。 四の前段について お尋ねについては、厚生労働省において、JCHOからの報告を踏まえ、令和五年二月に御指摘の「不動産業者」が「JCHO船橋中央病院の移転用地」を含めた土地の購入者として決定する前から、JCHO理事長及び役職員は、JCHO船橋中央病院の移転のための土地の購入を検討しており、必要な土地の面積や病院の規模等の情報について、当該「不動産業者」に提供していたが、当該「移転用地」の購入価格について、具体的に交渉し、一定の価格で購入することを約束していた事実は認められないこと、当該土地の取得を希望していた他の事業者とも「接触」しており、当該「不動産業者」のみから購入することを想定していたわけではないこと等の「事実認定」を行った。なお、当該情報の提供については、当該「移転用地」の購入のための交渉を円滑に行うために相応の必要性がある行為であったと考えている。 四の後段について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、JCHOが御指摘の「不動産を購入する場合」における「不動産取得に関する情報管理」を行うに当たっては、独立行政法人地域医療機能推進機構法(平成十七年法律第七十一号)第十一条において、「機構の役員及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない」と規定していること等を踏まえ、情報の性質に応じ、当該情報を適切に管理する必要があると考えている。 五の前段について 個々の報道を前提としたお尋ねについて、逐一お答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、JCHO横浜中央病院の建て替え、整備等については、現在JCHOにおいて検討していると承知している。 五の後段について 個々の報道を前提としたお尋ねについて、逐一お答えすることは差し控えたいが、いずれにせよ、JCHOの理事長を始め役員においては、JCHOが策定した「独立行政法人地域医療機能推進機構役職員倫理規程」第三条第三項において、「役職員は、職務の遂行に当たっては、当該職務の対象となる者からの贈与等を受けること等の国民の疑惑や不信を招くような行動をしてはならない」と規定されていること等を踏まえ、適切に業務を行う必要があると考えている。 六について お尋ねについては、JCHOからの報告によれば、御指摘の「JCHO大阪みなと中央病院の旧病院解体」における工事(以下「本件解体工事」という。)について、大阪市と協議した際に、同市から、地下工作物の撤去が必要である旨の考えが示されたことを踏まえ、令和五年六月に開催されたJCHOの役員会において、地下工作物の撤去を含めた本件解体工事について了承されたところ、本件解体工事の費用が高額であったこと等から、本件解体工事の実施について検討していく中で、改めて同市と協議した際に、原則として地下工作物の撤去が必要であることに変わりはないが、地下工作物の撤去が周辺の地盤に何らかの影響を及ぼす場合には地下工作物の残置も可能である旨の考え方が示されたことを踏まえ、「旧病院」の跡地が埋立地であることや地盤が緩いこと等も考慮し、地下工作物の撤去をしない方針へと変更し、その方針について、令和七年五月に開催された役員会での審議の上、了承されたとのことであり、こうした事情等を踏まえると、やむを得ない「支出であった」と考えている。なお、当該報告によれば、見直し後の解体工事費の総額については、違約金を含めても当初想定された費用よりも安価になったとのことである。 七について お尋ねについては、JCHOが策定した「独立行政法人地域医療機能推進機構におけるコンプライアンス推進規程」第九条第一項において、「役職員等は、機構の業務活動の実施、経理事務の遂行等に当たっては、法令等を遵守し、不正を行ってはならない」と規定されており、同項等に基づき、御指摘の「ガバナンス遵守の徹底」も含め、適切な対応が求められると考えている。 八について お尋ねについては、厚生労働省において、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)第三条第三項において、「独立行政法人の事務及び事業の特性並びに独立行政法人の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない」と規定していることも踏まえつつ、JCHOに対し、その運営状況等に応じた監督を行うべきであると考えている。 九について 御指摘の「独立行政法人の運営健全化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、独立行政法人の「内部統制」や「法令遵守」に関し、「過去十年分について」、「どのような対策を講じてきたのか」とのお尋ねと解すれば、各独立行政法人の運営の状況は様々であることから、個別具体的かつ網羅的にお答えすることは困難であるため、各独立行政法人に共通する「対策」をお答えすると、例えば、「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」において、「監事の機能強化等による法人の内部ガバナンスの強化」として、「法人の長の下での自律的なPDCAサイクルを機能させるため、役員の責任の明確化や監事の機能強化」「等により内部ガバナンスの強化を図る」こととしたことを踏まえ、平成二十六年に通則法の改正を行い、改正後の通則法第十九条第五項において、「監事は、いつでも、役員(監事を除く。)及び職員に対して事務及び事業の報告を求め、又は独立行政法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる」と、通則法第十九条の二において、「監事は、役員(監事を除く。)が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又はこの法律、個別法若しくは他の法令に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を法人の長に報告するとともに、主務大臣に報告しなければならない」と規定しているところであり、当該改正の趣旨を踏まえ、総務省において、監査の質の向上を図るため、独立行政法人の監事に対する研修を現在に至るまで行っているほか、令和六年四月には、同省において、独立行政法人の長がリーダーシップを発揮しつつ、職員が法令等を遵守し、内部統制の強化を図ることを目的として、「内部統制に関する取組事例」を取りまとめ、各独立行政法人に対して、所管する府省庁を通じ周知したところである。 十について 前段のお尋ねについては、御指摘の「必要な措置」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として、独立行政法人又はその役員若しくは職員による御指摘の「不動産の処分又は取得」を含む行為に関し、主務大臣が通則法に基づき行う措置に関するお尋ねと解すれば、通則法第二条第一項において「「独立行政法人」とは、(中略)中期目標管理法人、国立研究開発法人又は行政執行法人として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人をいう」と規定しているところ、通則法第三十五条の三において、中期目標管理法人については、「中期目標管理法人若しくはその役員若しくは職員が、不正の行為若しくはこの法律、個別法若しくは他の法令に違反する行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は中期目標管理法人の業務運営が著しく適正を欠き、かつ、それを放置することにより公益を害することが明白である場合において、特に必要があると認めるとき」に主務大臣が「当該中期目標管理法人に対し、当該行為の是正又は業務運営の改善のため必要な措置をとるべきことを命ずることができる」と、国立研究開発法人については、通則法第三十五条の八において、通則法第三十五条の三の規定を準用することと、行政執行法人については、通則法第三十五条の十二において、「主務大臣は、年度目標を達成するためその他この法律又は個別法を施行するため特に必要があると認めるときは、行政執行法人に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる」とそれぞれ規定しているとおりである。 後段のお尋ねについて、御指摘の「政府が実際に講じた措置」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、独立行政法人又はその役員若しくは職員による御指摘の「不動産の処分又は取得」に関し、主務大臣が、中期目標管理法人については通則法第三十五条の三の規定に基づき、国立研究開発法人については通則法第三十五条の八により準用する通則法第三十五条の三の規定に基づき、行政執行法人については通則法第三十五条の十二の規定に基づき、それぞれ行った措置と解すれば、現時点で確認できる範囲では、お尋ねの「過去十年」で、これらの措置を行った事例は承知していない。 |