質問主意書

第221回国会(特別会)

答弁書

内閣参質二二一第八一号
  令和八年七月二十八日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員ラサール石井君提出六ヶ所再処理工場のアクティブ試験等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員ラサール石井君提出六ヶ所再処理工場のアクティブ試験等に関する質問に対する答弁書

一並びに三の前段及び中段について

 従来、原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)による改正前の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「旧法」という。)第四十六条の規定に基づき、再処理事業者(旧法第四十四条の四第一項に規定する再処理事業者をいう。)は、再処理施設(旧法第四十四条第二項第二号に規定する再処理施設をいう。以下同じ。)について、その性能が、原子力規制委員会設置法の一部の施行に伴う関係規則の整備等に関する規則(平成二十五年原子力規制委員会規則第十六号)第七条の規定による改正前の使用済燃料の再処理の事業に関する規則(昭和四十六年総理府令第十号。以下「旧再処理規則」という。)第六条の二に規定する技術上の基準に適合するかについて、経済産業大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、再処理施設を使用してはならないとしていたところである。日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)は、これに従って、日本原燃が有する再処理事業所再処理施設について、御指摘の「アクティブ試験」を実施し、取得した結果等により、当該技術上の基準に適合するかについて検査を受けようとしていたところである。その後、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓等を踏まえ、原子力規制委員会が設置され、同委員会において、外部有識者も参加する「核燃料施設等の新規制基準に関する検討チーム」を設置し、新たな基準について議論を行い、当該議論を踏まえ、当該基準の骨子案や関係法令等の条文案を作成し、行政手続法(平成五年法律第八十八号)に基づく意見公募手続及び同法に基づかない任意の意見公募を実施した上で、地震や津波への対策の強化や重大事故対策の導入等を定めた新規制基準(以下単に「新規制基準」という。)を策定し、旧法第四十六条の規定に基づく検査の基準として、新規制基準を用いることとし、性能の技術上の基準を定めていた旧再処理規則第六条の二は削除したところである。現在は、日本原燃が御指摘の「アクティブ試験」を行ったとしても、同委員会は、新規制基準への適合性を確認することはできないと考えている。

二について

 御指摘の「ガラス固化検査」は、「アクティブ試験」の一環として行われるものであるところ、一並びに三の前段及び中段についてでお答えしたとおり、現在は、「アクティブ試験」を行ったとしても、原子力規制委員会は、新規制基準への適合性を確認することはできないと考えられることから、必ずしも御指摘のように「先送りすることは不適切」であるとは考えていない。

三の後段について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一並びに三の前段及び中段についてでお答えしたとおり、再処理施設の性能が、新規制基準に適合しなければ、再処理施設を使用してはならないとしたものである。なお、旧再処理規則第六条の二第二号、第六号及び第七号において、「放射性廃棄物の廃棄施設の処理能力が、申請書等・・・に記載した能力以上であること」、「製品中の原子核分裂生成物の含有率が、申請書等・・・に記載した値以下であること」及び「製品の回収率が、申請書等・・・に記載した値以上であること」とそれぞれ規定されていたところ、これらについては、従来、旧法第四十六条の規定に基づく使用前検査において適合性を確認すべき性能の技術上の基準として定められていたものであるが、新規制基準の策定に伴い、これらの規定そのものは、適合性を確認すべき基準ではなくなったことから、旧再処理規則から第六条の二を削除した。同条第二号、第六号及び第七号を含む同条に規定されていた、安全上必要な事項については、現在、再処理施設の技術基準に関する規則(令和二年原子力規制委員会規則第九号)に規定されているものである。

四について

 前段のお尋ねについては、平成二十五年七月二十六日付けで、日本原燃から、「再処理施設アクティブ試験におけるガラス固化試験結果等に係る報告について」(以下「報告書」という。)が提出されたが、当時、同年十二月から新規制基準が適用される予定であったことから、原子力規制委員会としては、新規制基準への適合性の確認を優先して行うことが必要であると判断し、同月の新規制基準の適用後これまで、当該確認を行ってきており、報告書の内容についてお尋ねの「審査」は行っていない。

 後段のお尋ねについて、御指摘の「BWR(沸騰水型軽水炉)燃料を用いた試験」を含む「アクティブ試験」については、一並びに三の前段及び中段についてでお答えしたとおりである。

五について

 お尋ねについては、御指摘の「使用前事業者検査」で「模擬廃液」を使用しても、「実廃液」と同様に、高レベル廃液ガラス固化建屋ガラス溶融炉における放射性物質の閉じ込め機能の確認ができ得るものと考えており、令和八年五月二十日に開催された第十回原子力規制委員会資料一において、「使用前事業者検査」において「閉じ込め機能の確認における検査条件としては、実液又は模擬廃液のいずれを使用しても成立しうると評価する」としているとおりである。

六について

 御指摘の「再処理工場に現在保管されている高レベル実廃液」には「高レベル廃液」、「アルカリ濃縮廃液」及び「不溶解残渣廃液」が含まれるところ、お尋ねの「含有する元素」の一例としては、それぞれ、セシウム、ナトリウム及びジルコニウムがあり、また、御指摘の「非放射性の高模擬廃液」を「使用前事業者検査で使用する予定」はなく、また、御指摘の「非放射性の・・・模擬廃液」に「含有する元素」の一例としては、セシウムがある。

 お尋ねの「含有率」について、「高レベル廃液」、「アルカリ濃縮廃液」及び「不溶解残渣廃液」については、蒸発及び蒸発に伴う水又は硝酸の追加のたびに変動するものであり、お示しすることは困難であり、また、「非放射性の・・・模擬廃液」に関しては、民間企業の個別の技術に関することであり、商業上の秘密に関することでもあるので、お示しすることは差し控えたい。

七について

 お尋ねについては、一並びに三の前段及び中段についてでお答えしたとおり、現在は、御指摘の「アクティブ試験」を行ったとしても、新規制基準への適合性を確認することはできないと考えている。いずれにせよ、新規制基準に係る適合性審査及び原子力規制検査(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第六十一条の二の二第一項の規定に基づく原子力規制検査をいう。)により、新規制基準への適合性の確認を適切に行うことで、重大事故を防ぐことにもつながるものと考えている。