第221回国会(特別会)
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内閣参質二二一第七四号 令和八年七月二十四日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員牧山ひろえ君提出国家戦略等における京浜臨海部の位置付けに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員牧山ひろえ君提出国家戦略等における京浜臨海部の位置付けに関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの「AIの普及、GXの推進及び水素社会の実現を目指す国家戦略」に関し、人工知能関連技術(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和七年法律第五十三号。以下「AI法」という。)第二条に規定する人工知能関連技術をいう。以下同じ。)について示した「人工知能基本計画」(令和八年七月十四日閣議決定)、お尋ねの「GXの推進」について示した「GX二〇四〇ビジョン」(令和七年二月十八日閣議決定)及びお尋ねの「水素社会の実現」について示した「水素基本戦略」(令和五年六月六日再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議決定)において、お尋ねの「京浜臨海部」その他の特定の地域を何らかの「産業拠点として位置付けて」はいないが、政府としては、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進、お尋ねの「GXの推進」並びに「水素社会の実現」に向けて、人工知能関連技術の研究開発に資するデータセンターの整備、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(令和五年法律第三十二号)第二条第二項に規定する脱炭素成長型経済構造移行債の発行、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構を通じた脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律(令和六年法律第三十七号。以下「水素社会推進法」という。)第十条第一号ロに掲げる資金に充てるための助成金の交付等の各種施策を講じているところであり、お尋ねの「京浜臨海部」においても、地域の特性を踏まえつつ、これらの施策に関する取組が進められているものと承知している。 二について お尋ねの「京浜臨海部におけるデータセンターや半導体関連産業等の集積」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として、「データセンターや半導体関連産業等の集積に伴う電力需要の増加」に対しては、送配電網を整備するとともに、あらゆる電源の活用を進め、電力の安定供給を確保していくことが重要であるところ、第二百二十一回国会において成立した電気事業法の一部を改正する法律において、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二十八条の四の規定に基づき設置された認可法人である電力広域的運営推進機関が、大規模な送電線及び電源への投資を行う事業者に対し、当該投資に必要な資金を貸し付ける制度に係る規定が設けられた。また、同機関が、発電時に温室効果ガスを排出しない又は発電時に排出する温室効果ガスの量が極めて少ない電源(以下「脱炭素電源」という。)を入札により選定し、このような電源を用いて発電を行う事業者に対し、一定の期間、当該事業者との契約により決定した金額を継続的に支払う仕組みを通じて、お尋ねの「水素発電」を始めとする脱炭素電源等に係る設備の新設、維持及び更新を促進しているところである。 三について 政府としては、お尋ねの「京浜臨海部」の港湾を含めた全国の港湾において、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第一項に規定する港湾管理者(以下「港湾管理者」という。)及び民間事業者が実施する御指摘の「水素の輸入、貯蔵及び供給拠点としての港湾機能の強化並びに水素パイプライン等のインフラ整備」等の取組を促進するため、令和八年三月に国土交通省港湾局産業港湾課が策定した「港湾における水素・アンモニアの受入環境整備に係るガイドライン」において、「水素等の受入拠点において想定される港湾施設の利用方法」、「施設配置の検討における留意点」等を示し、港湾管理者及び民間事業者に対して周知を図っている。 四について お尋ねの「AIの普及及びGXの推進による産業構造の変化」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、中小企業生産性革命推進事業を措置し、お尋ねの「京浜臨海部に立地する中小企業」を含めた中小企業・小規模事業者が行う設備投資等に要する経費の一部を補助している。また、人材開発支援助成金を措置し、お尋ねの「京浜臨海部に立地する中小企業」等の事業主が、その雇用する労働者に対して職業訓練等を実施する際の経費の一部等を助成することにより、お尋ねの「人材育成」及び「リスキリング」を支援している。加えて、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずるお尋ねの「京浜臨海部に立地する中小企業」等の事業主に対し、雇用調整助成金を支給することにより、お尋ねの「雇用の維持」を図っている。お尋ねの「雇用」の「創出」については、雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)第百四十条の二の規定に基づき、地域における雇用に関する課題に対応するために都道府県が実施する事業に要する経費の一部を補助している。 五について お尋ねの「一体的に推進する」及び「総合的な体制」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する施策については、AI法第十九条の規定に基づき設置された人工知能戦略本部の下で、内閣府、経済産業省等が、お尋ねの「GXの推進」に関する施策については、内閣官房GX実行推進室を中心に、経済産業省、国土交通省、環境省等が、お尋ねの「水素社会」を「実現」するための施策については、再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議を通じて、経済産業省、国土交通省、環境省等が、それぞれ連携し、必要な施策の充実を図っている。引き続き、関係府省庁が連携し、必要な施策の充実に努めてまいりたい。 六について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、お尋ねの「水素燃料」に係る「負担軽減措置」については、水素の供給コストの低減と利用の拡大を一体的に促進する観点から、水素社会推進法第七条第一項に規定する低炭素水素等供給等事業計画の認定を受けた同項に規定する低炭素水素等供給事業者に対し、水素社会推進法第十条第一号の規定に基づき、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構が、同号イに掲げる資金に充てるための助成金の交付を行っているところである。 七について 港湾及びお尋ねの「京浜臨海部」を含めた臨海部について、政府としては、「水素基本戦略」に記載したとおり、「港湾・臨海部では、既存の産業等の集積により水素の大規模な需要創出のポテンシャルを有することに加え、船舶を利用した大規模な輸送やその後の貯蔵を効率的に行うことができ、さらに、産業構造の転換時における埠頭の再編など、既存設備等を有効に活用しつつ効率的に水素の拠点を整備することも可能である」と考えており、また、同戦略に記載したとおり、「効率的なサプライチェーン構築のためには、全国的な見地からの拠点の最適配置が必要であり、地域の需要規模や産業特性に応じた拠点整備を進め、適切な集約・分散を行」うことも重要であると考えている。政府としては、これらの考え方を踏まえ、お尋ねの「水素供給」を担う拠点としての個別の港湾及び臨海部の在り方について、必要に応じて検討していく考えである。 |