第221回国会(特別会)
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内閣参質二二一第六九号 令和八年七月十七日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員打越さく良君提出生活保護における障害者加算に係る精神障害者保健福祉手帳の取扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員打越さく良君提出生活保護における障害者加算に係る精神障害者保健福祉手帳の取扱いに関する質問に対する答弁書 一から三までについて 御指摘の「生活保護における障害者加算」は、例えば、令和七年六月二十四日に開催された第五十二回社会保障審議会生活保護基準部会の参考資料「生活保護制度の概要等について」において示しているとおり、障害により「追加的に必要となる居住環境の改善のための費用や点字新聞などの雑費等の経費を補填」することをその趣旨として設けられたものであることを踏まえ、原則として、障害の状態に応じて一定の所得保障を行うことを目的としている障害基礎年金の障害等級(国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第三十条第二項に規定する障害等級をいう。以下同じ。)に基づき認定することとしている。これは、障害基礎年金の受給者は、生活保護法による保護の基準(昭和三十八年厚生省告示第百五十八号。以下単に「告示」という。)において示す「症状が固定している者及び症状が固定してはいないが障害の原因となつた傷病について初めて医師又は歯科医師の診療を受けた後一年六月を経過した者」(以下「症状が固定している者等」という。)であり、また、一般的に当該経費の必要性があるといった考え方を前提としている。 なお、身体障害者については、症状が固定している者等であり、また、当該経費の必要性を判断できる書類として、身体障害者手帳(身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第十五条第一項に規定する身体障害者手帳をいう。以下同じ。)が存在することから、身体障害者手帳の等級(身体障害者福祉法施行規則(昭和二十五年厚生省令第十五号)別表第五号の身体障害者障害程度等級表の等級をいう。以下同じ。)に基づき認定することも可能としている。 他方で、精神障害者については、精神障害者保健福祉手帳(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)第四十五条第一項に規定する精神障害者保健福祉手帳をいう。以下同じ。)は、「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領」(平成七年九月一日付け健医発第一一三二号厚生省保健医療局長通知別紙)において示しているとおり、「各方面の協力により各種の支援策が講じられることを促進し、精神障害者の社会復帰の促進と自立と社会参加の促進を図ることを目的」として交付されているものであるところ、その交付を受けている者が、必ずしも、症状が固定している者等ではなく、また、居住環境の改善のための追加的な費用等の必要性があるとは限らないことから、原則として、障害基礎年金の障害等級に基づき御指摘の「障害者加算」を認定することとしている。ただし、「障害基礎年金の受給権を有する者」のうち「裁定が行われ」ていないものについては、障害基礎年金の障害等級に基づく認定ができないことを踏まえ、「障害基礎年金の裁定が行われるまでの間」、「暫定的に」、精神障害者保健福祉手帳が精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行令(昭和二十五年政令第百五十五号)第六条の一級又は二級に該当し、かつ、症状が固定している者等である場合には、居住環境の改善のための追加的な費用等の必要性があると推認し、認定を行うこととし、さらに、「障害基礎年金の受給権を有しない者」については、障害基礎年金の障害等級に基づく認定を行い得ないことを踏まえ、例外的に、当該場合には、当該必要性があると推認し、認定を行うこととしているものである。こうした取扱いが、お尋ねのように「精神障害者を差別」するものであるとは考えていない。 こうした「障害者加算」の制度として、告示においては、「障害者加算」の認定に当たり、原則として参照するものとして、障害基礎年金の障害等級又は身体障害者手帳の等級について定めており、お尋ねのように「平成七年の精神障害者手帳の導入から現在に至るまで、精神障害者手帳の等級に基づく障害者加算の認定に係る規定を告示に加えて」はおらず、「精神障害については、昭和四十年通知及び平成七年通知により精神障害者手帳の等級ではなく障害基礎年金の裁定」を原則とし、「障害者加算の認定に係る取扱いが、身体障害者手帳と精神障害者手帳の間で異な」っているものである。 四について お尋ねの「提案団体」及び「追加共同提案団体」については、内閣府のホームページで公表している「令和六年 内閣府と関係府省との間で調整を行う提案についての最終的な調整結果について」の「厚生労働省」の「個票」の「令和六年 地方分権改革に関する提案募集 提案事項」の中の「精神障害を有する生活保護受給者に対する障害者加算の認定方法の統一」において、「秋田県、宮城県、秋田市、能代市、大館市、男鹿市、鹿角市、由利本荘市、潟上市、北秋田市、にかほ市、三種町、八郎潟町、栃木県、川崎市」及び「花巻市、ひたちなか市、相模原市、浜松市、名古屋市、豊橋市、小牧市、寝屋川市、倉敷市、徳島県、高知県、長崎市、諫早市、熊本市、宮崎県、特別区長会」と示しているとおりである。また、お尋ねの「それぞれが提案された年月日」については、「提案団体」は、全て令和六年五月十日であり、「追加共同提案団体」は、倉敷市及び諫早市が同年六月四日、豊橋市が同月六日、その他の団体は同月五日である。 五について 四で御指摘の「提案団体」及び「追加共同提案団体」から、御指摘のように「障害基礎年金の受給権を有する者」のうち「障害基礎年金」の「裁定次第で障害者加算の認定取消しが行われ」るものについて、「障害基礎年金の受給権を有しない者」に比べ、「不利益」が生じている旨の指摘があることは承知しているが、他方で、「障害基礎年金の受給権」の有無を問わず、精神障害を有する生活保護受給者の全てについて、精神障害者保健福祉手帳のみに基づき、「障害者加算」の認定ができるようにすることについては、一から三までについてで述べたとおり、居住環境の改善のための追加的な費用等を支援するといった「障害者加算」の制度の趣旨等を踏まえると、慎重に検討すべきものと考えている。 |