質問主意書

第221回国会(特別会)

答弁書

内閣参質二二一第五八号
  令和八年七月十日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員石橋通宏君提出我が国における難民認定の実態に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石橋通宏君提出我が国における難民認定の実態に関する質問に対する答弁書

一の1について

 令和七年に難民認定申請(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第六十一条の二第一項の難民の認定の申請をいう。以下同じ。)をした者のうち、難民認定申請時に二十歳未満であったもので在留資格を有していなかったものの数は二百十三人(速報値)であり、このうち入管法第二十二条の二第一項の規定により本邦に在留していたものの数は百四十七人、一時庇護上陸(入管法第十八条の二第一項の一時庇護のための上陸をいう。)の許可を受けたもので当該許可に係る許可書に記載された期間を経過していないものの数は零人、不法に本邦に在留していたものの数は六十四人(いずれも速報値)である。

 その余のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

一の2について

 令和七年に仮滞在(入管法第六十一条の二の四第一項の仮滞在をいう。)の許可を受けた者のうち、当該許可を受けた時点で二十歳未満であったものの数は三十三人(速報値)であり、その年齢別の内訳は、零歳が十四人、一歳が十人、二歳が三人、十二歳が一人、十三歳が一人、十四歳が一人、十七歳が二人、十九歳が一人(いずれも速報値)である。

一の3について

 令和七年に地方出入国在留管理局等(地方出入国在留管理局及び地方出入国在留管理局支局をいう。以下同じ。)における振り分けの段階で明らかに誤用・濫用的な案件として振り分けられたB案件又はC案件(「難民認定等事務取扱要領」(平成十七年五月十三日付け法務省管総第八百二十三号法務省入国管理局長通知別添)に「B案件」又は「C案件」として記載されているものをいう。以下同じ。)の数は、B案件が千六百十五件、C案件が九百八十一件である。

二の1について

 お尋ねの「四類型の定義」について、現時点で変更はない。

二の2の(1)について

 出入国在留管理庁においては、令和七年五月に取りまとめた「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」(以下「ゼロプラン」という。)を踏まえ、御指摘の「当該通知」により、B案件を類型化し、地方出入国在留管理局等における振り分けの基準として活用することとしているところ、当該基準の内容や策定過程については、お尋ねの「参照した出身国情報等」を含め、これらを明らかにすることにより、難民認定等に係る審査の事務に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

二の2の(2)について

 御指摘の「同通知」において「B案件への振分け及び在留制限の実施に当たっては・・・出身国情報を始めとした申請者の本国における一般的事情や申請者の個別的事情などといった事情を総合的に考慮し判断する必要があります」としているとおり、お尋ねのように「申請者の個別事情を考慮することなく「国籍国の保護を受け得る状態にあることが明白な」案件に指定すること」は行っていない。

二の3について

 お尋ねについては、「難民認定等事務取扱要領」において、「面接による事情聴取を要しない案件として、①A案件のうち、申請書等の提出資料から難民該当性又は補完的保護対象者該当性があることを判断できる案件(中略)が挙げられる」としているとおりである。

三の1について

 前段のお尋ねについては、お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

 後段のお尋ねについて、出入国在留管理庁としては、ゼロプランにおいて「二千二十六年中に新規受理した申請の六か月以内(平均)の処理を目指す」としていることを踏まえ、令和八年になされた難民認定申請について、お尋ねの「平均の処理期間」を把握することとしており、必ずしも、御指摘のように「ゼロプランの評価に支障を来す」とは考えていない。

三の2の(1)及び(3)について

 令和七年末時点において未処理の難民認定申請のうち、お尋ねの「案件振り分けの導入前」である平成二十七年九月以前に受理したものは零件(速報値)である。

 また、令和七年末時点において未処理の難民認定申請のうち、平成二十七年から令和七年までの各年に受理したものは、平成二十七年が零件、平成二十八年が六件、平成二十九年が二十四件、平成三十年が五十六件、平成三十一年及び令和元年が百八十二件、令和二年が九十九件、令和三年が百六十一件、令和四年が四百四件、令和五年が二千百二十七件、令和六年が五千四百三十件、令和七年が七千四百八十件(いずれも速報値)である。

三の2の(2)及び(4)から(8)までについて

 お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難であるが、出入国在留管理庁としては、ゼロプランにおいて、「二千二十六年中に新規受理した申請の六か月以内(平均)の処理を目指す」等、難民認定申請に対する「平均処理期間」に係る目標を掲げていることを踏まえ、「難民認定申請の平均処理期間」を把握することとしており、お尋ねのような「審査請求」に係る「統計をとっていない場合」に「ゼロプランの評価に支障を来す」とは考えていない。

三の3について

 令和八年四月一日現在の難民調査官に指定されている者の数は三百四十四人であり、その内訳は札幌出入国在留管理局が三十三人、仙台出入国在留管理局が十八人、東京出入国在留管理局が百五十二人、名古屋出入国在留管理局が二十三人、大阪出入国在留管理局が三十一人、広島出入国在留管理局が三十五人、高松出入国在留管理局が十人、福岡出入国在留管理局が四十二人である。

三の4について

 令和八年四月一日現在の出入国在留管理庁におけるお尋ねの「出身国情報の収集等に専従する職員の数」は十二人である。

四の1の(1)及び(2)について

 令和七年に難民と認定した者(審査請求(入管法第六十一条の二の十二第一項の審査請求をいう。以下同じ。)手続において認定した者を含む。以下同じ。)百八十七人のうち、二回目の難民認定申請に対して難民と認定したものの数は二人(速報値)、三回目の難民認定申請に対して難民と認定したものの数は二人(速報値)であり、退去強制令書発付後に難民と認定したものの数は三人(速報値)である。

四の1の(3)及び(4)について

 お尋ねのような形での統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

四の1の(5)について

 令和七年に難民と認定した者百八十七人のうち、お尋ねの「四類型別の内訳」は、把握している限りにおいて、A案件が百六十三人、B案件が零人、C案件が二人、D案件が十二人(いずれも速報値)である。ただし、三の2の(1)及び(3)についてで述べた「案件振り分けの導入前」に難民認定申請をした者及び導入当初に難民認定申請をした者であって統計をとっていないため振り分け状況を把握していないものが十人いる。

四の2の(1)及び(2)について

 令和七年に難民と認定しなかったものの、補完的保護対象者と認定した者(審査請求手続において認定した者を含む。以下同じ。)八十三人のうち、二回目の難民認定申請に対して難民と認定しなかったものの、補完的保護対象者と認定したものの数は十四人(速報値)、三回目の難民認定申請に対して難民と認定しなかったものの、補完的保護対象者と認定したものの数は四人(速報値)であり、退去強制令書発付後に、難民と認定しなかったものの、補完的保護対象者と認定したものの数は三人(速報値)である。

四の2の(3)について

 令和七年に難民と認定しなかったものの、補完的保護対象者と認定した者八十三人のうち、お尋ねの「四類型別の内訳」は、把握している限りにおいて、A案件が四十四人、B案件が零人、C案件が十三人、D案件が二十人(いずれも速報値)である。ただし、三の2の(1)及び(3)についてで述べた「案件振り分けの導入前」に難民認定申請をした者及び導入当初に難民認定申請をした者であって統計をとっていないため振り分け状況を把握していないものが六人いる。

四の3の(1)及び(2)について

 令和七年に御指摘の「難民及び補完的保護対象者のいずれにも認定されなかったものの、人道的な配慮により在留を認められた者」(審査請求で「理由なし」とされたものの人道上の配慮を理由に在留を認めた者を含む。以下「当該者」という。)五百二十二人のうち、二回目の難民認定申請に対する当該者の数は五十三人(速報値)、三回目の難民認定申請に対する当該者の数は十四人(速報値)、四回目の難民認定申請に対する当該者の数は五人(速報値)であり、退去強制令書発付後に在留を特別に許可したものの数は二十五人(速報値)である。

四の3の(3)について

 令和七年の当該者五百二十二人のうち、お尋ねの「四類型別の内訳」は、把握している限りにおいて、A案件が百八十二人、B案件が一人、C案件が六十三人、D案件が二百五十八人(いずれも速報値)である。ただし、三の2の(1)及び(3)についてで述べた「案件振り分けの導入前」に難民認定申請をした者及び導入当初に難民認定申請をした者であって統計をとっていないため振り分け状況を把握していないものが十八人いる。

四の3の(4)について

 令和七年に審査請求で「理由なし」とされたものの人道上の配慮を理由に在留を認めた者三人の国籍別の内訳は、スーダンが二人、アフガニスタンが一人である。

四の4の(1)について

 お尋ねの「当該「特定活動」で在留する者」であっても、人道上の配慮を必要とする特別な事情がある場合には、「定住者」の在留資格への変更を許可することもあり得るが、具体的にどのような場合に許可するか否かについては、個別具体的な事情により判断すべきものであるため、一概にお答えすることは困難である。

四の4の(2)について

 御指摘の「本国情勢等を理由に人道配慮による在留許可」を受けた「四百九十三人」のうち、「当該「特定活動」が付与された者」は二百四人であり、国籍別の内訳は、ミャンマーが百九十五人、アフガニスタンが七人、ロシアが二人(いずれも速報値)である。

五の1について

 審査請求に係る口頭意見陳述(行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第三十一条第一項本文の規定による意見の陳述をいう。以下同じ。)及び質問(同法第三十六条に規定する質問をいう。)の期日が開かれなかった三千四十人のうち、口頭意見陳述を申し立てた人数の合計は、千三百十三人である。

五の2について

 お尋ねの「常設班」の数は、令和八年四月一日時点で、東京出入国在留管理局に二十七班、名古屋出入国在留管理局に五班、大阪出入国在留管理局に七班である。

五の3について

 令和八年四月一日時点で、お尋ねの「常設班」を構成しなかった難民審査参与員は二十四人いるが、その理由については、難民審査参与員の班の構成について、出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和五十六年法務省令第五十四号)第五十八条の九第一項の規定に基づき異なる専門分野の難民審査参与員によって班が構成されるよう配慮されているほか、諸般の事情を勘案して個別具体的に判断されていることから、一概にお答えすることは困難である。

六について

 出入国在留管理庁において把握しているところでは、難民不認定処分取消請求訴訟及び難民不認定処分無効確認請求訴訟について、令和七年に提起された件数は三十八件、同年に終局裁判がなされた件数は第一審、控訴審及び上告審の合計で三十七件である。

 また、難民不認定処分取消請求訴訟、難民不認定処分無効確認請求訴訟又は難民認定義務付け訴訟のうち、同年において国の敗訴が確定した事案については、その確定後、難民の認定が行われた。