質問主意書

第221回国会(特別会)

質問主意書

質問第九九号

独立行政法人地域医療機能推進機構のガバナンスに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和八年七月十七日

大島 九州男


       参議院議長 関口 昌一 殿



   独立行政法人地域医療機能推進機構のガバナンスに関する質問主意書

 独立行政法人地域医療機能推進機構(以下「JCHO」という。)は、厚生労働省所管の独立行政法人であり、JCHOが運営する病院(以下「JCHO病院」という。)は、健康保険料や年金保険料を財源として設置された沿革がある。このため、JCHOの運営、特に不動産等の資産処分や取得については、高い透明性や説明責任が求められる。

 しんぶん赤旗(令和七年二月二日、七日、十一日、二十一日、三月六日、五月二十三日、六月二日、令和八年四月五日及び五月二十七日付け。以下「赤旗」という。)において、JCHO船橋中央病院の移転用地取得における背任疑惑、JCHO横浜中央病院の移転用地取得未遂における背任疑惑が報じられている。また、JCHO大阪みなと中央病院の旧病院解体における高額な違約金の支払に対する疑義を指摘する声もある。

 これらに関連し、私が令和八年六月八日の参議院行政監視委員会で行った質疑に対する答弁も踏まえて、以下質問する。

一 JCHO病院が移転した場合の旧土地の売却益は、その沿革を踏まえると保険料を納めた国民のものとも言える。売却益を病院移転計画の資金の一部として使用するならば、資金が正当に支出されることを国民に開示・説明すべきである。売却又は購入の際は、法令及びJCHOの内部規定に従い、原則として入札手続により複数の事業者間の競争を通じて価格が決定されなければならないと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 JCHO船橋中央病院の移転用地取得に関し、厚生労働省は前記委員会において、「厚生労働省において、関係法に基づく必要な調査を実施いたしまして、昨年四月に中間取りまとめを行ったところでございます。調査の結果、土地取得に関して法令違反は確認されず、また、JCHO船橋中央病院が取得した土地の価格が不当に高額なものであったとも確認をされておりません。」と答弁した。赤旗では、移転候補地であった工場跡地を購入した不動産業者から根拠が不明瞭な逸失利益三十四億円余りを上乗せした価格で購入したことが報じられている。厚生労働省の調査では、根拠が不明瞭な逸失利益三十四億円の上乗せについても「不当に高額」ではないと事実認定したのか示されたい。また、当該逸失利益はJCHOが本来支払う必要のない支出であったと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 JCHO船橋中央病院の移転用地取得に関し、厚生労働省は前記委員会において、「法令違反ではありませんが、内部規定上求められる役員会の審議が十分に行われていなかったといった手続上の課題が確認されました。」と答弁した。赤旗では、JCHO理事長が役員会に諮らず、一部の事務方幹部だけで不動産購入を決定したと報じられているが、厚生労働省の調査では、具体的にどのような事実をもって「役員会の審議が十分に行われていなかった」と結論付けたのか示されたい。

 また、厚生労働省は前記委員会において、「JCHOに対し、契約の透明性を確保するための関係規定の見直しや望ましいガバナンスを実現するための必要な取組などについて検討するよう昨年四月に要請書を発出し、昨年六月と十月にJCHOから要請に対する取組状況の報告を受けているところでございます。」と答弁した。報告を受けた後、JCHOのガバナンスを改善するため、厚生労働省としてどのような措置を講じたのか示されたい。

四 JCHO船橋中央病院の移転用地取得に関し、赤旗は、JCHO理事長が特定の不動産業者と接触して土地購入を働き掛けたと報じている。厚生労働省の調査では、JCHO理事長と当該不動産業者との接触に関し、どのような事実認定を行ったのか示されたい。また、本来、JCHOが不動産を購入する場合、背任又は贈収賄の疑惑を招かないようにするため、JCHOが有する不動産取得に関する情報管理を徹底すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 JCHO横浜中央病院の移転用地取得計画に関し、未遂に終わったものの、JCHO船橋中央病院の移転用地取得と同様の手法により、候補地を路線価の二倍超の高値で購入しようとしていたことが赤旗で報じられている。今後も同様の手法による土地取得が懸念されるが、JCHO横浜中央病院の移転用地取得計画に係る事実関係について、政府の見解を示されたい。また、JCHO理事長が特定の不動産業者と接触して打合せをしたと報じられている点について、背任又は贈収賄の疑惑を招きかねないと考えるが、政府の見解を示されたい。

六 JCHO大阪みなと中央病院の旧病院解体における高額な違約金の支払に関し、厚生労働省は前記委員会において、「議員御指摘の違約金は、この地下工作物の撤去を取りやめたことに伴う変更契約によって違約金が発生したものでございますが、金額は約四・三億円となっております。なお、見直し後の解体工事費総額については、違約金を含めても当初想定された費用よりも安価となったと聞いておるところでございます。」と答弁した。約四・三億円の違約金の支払は高額であり、本来支払う必要のない支出であったと考えるが、政府の見解を示されたい。

七 前記二から六について、少なくともこうした疑惑を招かないよう、JCHOにおいてガバナンス遵守の徹底が求められると考えるが、政府の見解を示されたい。

八 JCHO理事長は厚生労働大臣が任命し、JCHOは厚生労働省の指導監督下にある。この点について、厚生労働省は令和七年五月二十三日の衆議院厚生労働委員会において、「独立行政法人の運営というのは、法人の自主性を基本として行われるものというふうに承知をしています。その上で指導監督下にあるというふうに承知しております。」と答弁した。前記二から六について、少なくともこうした疑惑を招かないよう、厚生労働省はJCHOを厳しく監督すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

九 独立行政法人の自主性を理由に運営を委ねるだけでは、内部統制が不十分なまま推移してしまうおそれがある。その上で、独立行政法人の理事長又は理事が法令遵守を怠って法人を運営する事態が続いた場合、法人の存立すら脅かすことになる。そこで、政府として独立行政法人の運営健全化のためにどのような対策を講じてきたのか、過去十年分について示されたい。

十 独立行政法人の有する不動産の処分又は取得に関し、政府は、法人が適切に運営されるように必要な措置を講じることができると考えるが見解を示されたい。また、政府が実際に講じた措置がある場合、過去十年分の事例及び措置内容について示されたい。

  右質問する。